自宅兼アトリエの書道家・中川恵さんのお宅は、まるで美術館のような洗練された空間です。感性に響くものしか置かないという信念のもと、考え抜かれた選りすぐりのインテリアをご紹介します。
中川恵/なかがわめぐみ
「一般社団法人七草會」代表理事、国立新美術館の展覧会開催。「南青山書画院、東京京橋書画院、通信書道講座なな草」の主宰。講師も務める。
余分を削ぎ落とした空間で「書」に向き合う暮らし。
芸術や書道を媒介とした文化活動を行う中川恵さん。夫と暮らす自宅は、欧米人向けのヴィンテージマンションとして知られるホーマット。ゆったりとしたリビングから目に入るのは、柔らかな光が灯る石灯籠です。
生活感がなく、削ぎ落とした空間にあるのは名品のノル家具とグランドピアノ、夫妻の作品のみ。娘から「まるで修行僧の道場みたい」と言われたこともあるほど、静謐な印象に満ちています。
リビングはアトリエも兼ねているため、安定した採光が得られる北向きの部屋を選んだそう。
3年前のリフォームでは、ホーマットの趣を残すことに気を配り、何も変えず加えず、天然素材の壁紙と床のカーペットのみを新調。書道を通して行 き着いたのは、なるべく家電製品などを持たない削いだ暮らし。
現在、芸術活動の西の拠点を京都に設けるため、芸術文化ビルを建設中だそう。
「今後は東京と京都の二拠点となるので、東西の芸術文化交流も目指したい。 年末には六本木の国立新美術館で展覧会を控えており、毎日忙しいですが充実しています」
写真/玉井俊行 取材・文/吾妻枝里子 再編集/久保田千晴
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