在パリ約6年のクウネル・サロンメンバー松永加奈さん、日本への帰国が決まり、フランスレポートが終わりを迎えます……。しかし、感慨に耽る間も無く、日本への引越し準備を始めた松永さん。友人、知人へのお土産を買いに、あちこちへ。いつかフランスへ行く方のための、お土産リストを紹介します。
→第1弾【松永加奈のフランス便り63】まるで絵葉書!どこを切り取っても美しい街の写真でパリ暮らしを振り返り。
海外引越しとパリのお土産たち
帰国が決まり「パリともお別れかー」と感傷に浸る暇なく突きつけられる現実、それは「引越し」。在パリの間、ご近所エリアで2回の引越しを経験し、前回は記憶も鮮明な今年の3月。しかし今回は帰国のための引越なので、何かとスケールが違います。
まずは日本へ送る荷物の準備。早めに必要なものは「航空便」、それ以外は「船便」で送ります。フランスから日本へ送る船便にかかる期間は、通常2か月が目安。しかし、現在コロナ禍のためイレギュラーが生じていて「早くても2か月半はかかります」と運送業者さん。2か月半後…。季節も変わって、それなりに生活が整った頃、ある日どさっと届く大量の日用品…。もちろんすべて大事な、必要なものなのですが、目の前に積みあがる段ボールを眺めて「あれ?これがなくても暮らせていたよね?」と呆然とするのは、海外引越し経験者の間でよく出る話。というわけで、まだ使えるものは友人たちにリユースしてもらい、もらい手が付かないものは処分し、心を鬼にして荷物を整理するのがパリでの最後の大仕事です。
次に、家族や友人へのおみやげの買い出し。コロナ渦前、気軽に一時帰国していた頃にも渡していましたが、今回が一応最後のおみやげです。といってもあまり内容に変わりはありませんが、約2年帰れなかったのでリクエストもたまっていて、ここはひとつ期待に応えたいところ。
ちなみに1番人気はPBアイテムも充実のスーパー『モノプリ』のエコバッグで、帰国できない間に日本が「レジバッグ有料」になったこともり「前回もらったものがボロボロになってきたー」と友人たち。デザイン、機能性ともに高く毎回好評なので「みんな待っててね」と大量に購入。そして、キッチンなどで使える大きなトルション(ふきん)やワイン専用バッグといったフランスらしい布ものもチョイス。また、お店のロゴ入りバッグやコスメ、スーパーで買える調味料は、私が普段使っている手軽なものですが、良さを実感しているので「これいいよ」とお裾わけ感覚でおみやげに。みんなには”フランス限定”という特別感も喜んでもらえるようです。
いつもならバターのリクエストも多いのですが、今回は帰国後に隔離期間があるので、すぐに手渡しできないものは断念。でも、厳しい制限があった時期のことを思えば、移動も買い物もほぼ自由になったこの状況は嬉しく、ありがたいなと思います。
そのほか、蚤の市で仕入れた割れ物、コンフィチュールなどの瓶詰めやワインは重さもあるので引越し便へ。ばたばたと走り回り、テンションも上がる中で一気に箱詰めしたものとは、2か月半後にご対面です。その頃にはきっともう、すっかりどっぷり日本の生活に浸っていて「この箱の山は…」とため息をつくはず。ですが、最後にあちこちで集めたものが「ああ、これあのとき買ったなあ」「これ美味しいんだよね」と、パリを懐かしく思い出させてくれるような気がします。