【50代の挑戦。前編】楽しく自由に、 体が動くのはあと20年くらい?今、選択しなければ、もうチャンスはないかも……。

料理教室を主宰し、雑誌やテレビでも引っ張りだこの人気料理家、坂田阿希子さん。昨秋、東京・代官山に自ら腕を振るう『 洋食KUCHIBUE 』をオープンしました。大好きな仕事で忙しくも充実した毎日を送る坂田さんの挑戦の経緯と、素敵な洋食店をご紹介します。

「今日はグラタンありますか?」と問い合わせが来るほど大人気。皿から溢れんばかりにこんもりとした「マカロニグラタン」は、小ぶりながら迫力満点。「焼き上がったとき、皿からソースが噴きこぼれなければグラタンじゃない」とソースをゆるく炊くのが坂田流。表面はカリッ、中はとろ~り。熱々をフーフーしながら召し上がれ。¥2,300(税込)

20年以上続けてきた料理教室が手狭になり、新しいアトリエを探していた坂田さん。そんなとき、たまたま知人から舞い込んできたのが、現在の店舗物件でした。

エプロンは、友人でもある「ユーモレスク」のデザイナー渡辺由夏さんが、この店に合うようデザインしてくれた。

「46年間営業されていた、代官山の 『トムスサンドイッチ』さんの場所。 自分が51歳のタイミングで、ほぼ同時代を歩んできた名店の後という話に、ご縁を感じました。かつてフレンチのお店で働いていたこともありますし、 飲食の世界には、ずっとある種の憧れがありました。本当に楽しく自由に、 体が動くのはせいぜいあと20年。やるなら今、選択しなければ、もう一生チャンスはない。だったら、やってみるのも悪くないかなと。挑戦せずに後悔するくらいなら、やってみて失敗しても、面白かったね、と思い出になるかもしれない。50代なら、まだやり直しはききますから」

店の奥の窓の外には緑が溢れ、東京とは思えない風景が広がる。「こんな場所で毎日仕事ができて、お客様に来ていただけるなんて、幸せなことだと感謝しています」

▼後編に続きます。


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『ku:nel』2020年5月号掲載

写真 太田隆生 / 取材・文 和田紀子 / 編集 友永文博

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