在パリ6年目の<クウネル・サロン>プレミアムメンバーの松永加奈さんのパリレポート。今回のテーマは、日用品について。日本と比べるとなんでも少しずつ高く、「日本の100円ショップは、高品質なものがなんでも100円で買えてすごい!」と思うのだそうです。
素敵なものに溢れているパリ、ですが暮らすとなると話は別。日々の生活で日本と比べて「え、これがこんなに高いの?」と驚くことがよくあります。
日用品は強気のお値段のわりにクオリティはいまいち、外食は高い一方でサービスは伴わない…などなど。価格と品質が見合っていて、さらに「お値段以上」の満足感も当たり前という日本の基準を知る私にとって、パリの基準は何年経っても「うーん…」と首を傾げることが多く、このことは在パリ日本人の間でもよく話題になります。では実際に何が高いと感じるのか、私が普段使っているものを例にご紹介します。(4月中旬現在、1€=130円で計算)
まずは日常に欠かせないトイレットペーパー。PB商品ばかり扱うスーパーには「6ロール 150円」という破格値のものもあり、みんな「安い!」と一度は手に取りますが、想像を絶する量の少なさにびっくり。トイレットペーパーには、この「巻きが甘い」「芯が太すぎる」疑惑が常について回るので(私も何度やられたことか)、ある程度のレベルを選ぶと「6ロール 350~400円」が相場かと。ちなみに、最近「6ロール=12ロール」と書かれたコンパクトサイズが増えてきましたが、先のような疑惑があって信用できず、買う際に重さの確認はマストです。
そしてボックスティッシュは「1箱 130~150円」。基本的にセット売りがなく1箱でこの価格、おちおち鼻もかめません…(かみますが)。また、いつも買うフローリング用のドライシートは「20枚入り 230円」、特殊加工もなくこの枚数でちょっと納得いかないような?以上、ここに書いたものはすべて、各スーパーのPB商品。これが有名メーカーだとお値段は1.5倍~2倍になります。
キッチンに欠かせない「食品ラップ」は、お値段もさることながら、気になるのがその品質。厚みも機能性も日本の半分で、使うたびに、ラップが薄すぎてうまく切れない、一瞬でくちゃくちゃになる、箱がよく壊れる…というストレスのおまけが付きます。なので、一時帰国の際に購入したりおみやげでいただく「日本の食品ラップ」は超貴重品。ロックダウンでの「おうちごはん」でラップの使用頻度も高くなったため、日仏のラップを使い分けています。
「おうちごはん」が増えているのは、現在「外食」ができないゆえですが、その「外食」はみんなから「高い!」といわれる筆頭の存在。「前菜、メイン、デザート(又はドリンク)のランチセットを店内で食べる」となれば、ごく普通のカフェやレストランで1600~2000円。もちろん、お店やメニューで価格に幅があり、もう少し安いところもありますが、日本でイメージするクオリティならこれくらいが相場です。「お店でいただく7.5€(1000円)のランチセット、丁寧な接客付き」は、パリではありえないかも?
ほかにも、文房具やプラスチック製品、小型家電など、在パリ日本人がフランス製品を「高い」と思う背景に、「日本製品の安定した品質の高さと種類の豊富さ」、そして「100円ショップ」「ドラッグストア」の存在があります。フランスの日用品の品質は、どれも似たり寄ったり。ちょっと質がいいものを…と思うと一気に価格が跳ね上がります。そして種類が少ないため、選択肢があまりありません。例えば食品ラップにしても、「お金は払うからクオリティの高いものを」と思っても、存在しないのです。
450円の普通のピーラーを手にとって「この程度なら100円ショップで買えるのに」とか、有名メーカーの洗剤を見て「ドラッグストアならこの半額以下だな」とか、つい思い出しては、その存在の大きさを改めて異国で感じる日々。私が知る限り、日本人が一時帰国したら行きたいスポットのトップに、この2つが必ず入っています。
そこにお手軽ランチでも付けたら…なんて夢のような時間!ですが、とりあえずロックダウンが明けて、高くても何でもパリのレストランで食事をすることが、今の私の夢です。できればどちらも、早く叶いますように。
●松永加奈さんの「フランス人は〇〇って本当?!」シリーズ
◎「フランス人は10着しか服を持たない」は本当?
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