【松永加奈のフランス便り37】お金の事情。フランス人は貯金よりも投資や運用!

パリ お金

暮らしてみないと分からない、フランスのリアルを在パリ6年目の松永加奈さんがレポートするこの連載。今回は、意外と知らない、でも気になるお金の話についてです。

我が家はリアルタイムで日本のテレビが観られます。番組はもちろん楽しみなのですが、「ああ、●●が食べたい」「また新しいモバイルサービスが出たの?」と日本の「いま」を伝えるCMにも釘付け。そしていつも「日本は何でも安い!」と家族で話題になります。

フランスは物価が高くて「付加価値税(消費税)」の税率がなんと20%!一部の食品やレストランのサービス、演劇鑑賞や新聞など、何種類もの「軽減税率」が適用されていますが「バゲットは5.5%でサンドウィッチは10%、但しアルコールとセットなら20%」のようにあまりに複雑過ぎて、フランス人もよく分かっていないそう。お店で日用品を手に取り「おぉぉ…」とお値段にびっくりすることもいまだにしょっちゅうです。そのため、パリで生活する人、特に若い世代は、通販やリサイクルを上手に利用したり、無駄買いをせず、節約は当たり前。そして「使う時は使う」というメリハリがしっかりしているように思います。

都心生活では物価高を日々実感。トイレットペーパーやラップ、ゴミ袋など質がイマイチでもお値段は強気で日本よりかなり高め。お得な商品を見つけたらまとめ買いします。

外食代が高いので、会社からランチなどに使えるチケットが支給されます(半額個人負担)。金額は会社によって違い、レストラン以外にスーパーやマルシェでも対応するお店で使用できます。

マルシェは鮮度だけでなく、おいしくて安い食材が手に入る場所。エリアによって、並ぶ店舗や相場にかなり差があります。

滞在許可証があれば加入できる「国民健康保険」。現在薬局で行われているPCR検査も無料で受けることができます。

任意保険(ミチュエル)に加入すれば薬代もカバーされます。医師に処方箋を出してもらい薬局で薬を受け取っても支払い要らず。友人曰く「薬局は薬棚の感覚」。

任意保険以外に、銀行が扱う生命保険へ加入する人もいます。その場合は疾病対応というより積み立てなどの貯蓄目的。「銀行とのお付き合い」で入る人も結構いるとか。

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何でも高いお金がかかるフランスですが、社会保障は充実。加入義務のある「国民健康保険」のほかに任意保険(ミチュエル)があり、公的な保険でカバーされない医療費を補えます。基本的に勤務先で団体加入でき、その場合自己負担が少なく済むので、ほとんどのフランス人が加入しているそう(個人加入も可)。それとは別に生命保険もありますが、「ミチュエルに入っておけば大丈夫」という人が多いせいか、日本よりも加入率はずっと低いとか。失業保険もしっかりしていて(自己都合退職など一部を除き)受給期間が長く、その間に留学したり起業準備する人も。日本とは保障のシステムがかなり異なり、とりわけ公務員や企業に所属する人の話を聞くたびにびっくりします。

また、貯金をするよりも、若いうちに家を買ったり、投資や資産運用する人が多い印象。フランスは不動産の価値が下がらず、むしろ上がるので「高い家賃を払うなら買って資産にする」という考え方が主流です。貯金は「来年のバカンス用」「クリスマスプレゼント費用に」といった、直近の目的に向けてするもので「いざというときにのために」という漫然とした理由は殆ど聞きません。ほかにも、収入に応じて内容は変わるものの、手厚い子ども手当や各種控除、補助がいろいろ。保障を受けつつ、住み替えたり移住したり、ライフスタイルの変化に柔軟に対応しながら、老後を迎えるイメージです。

企業で団体加入するケースがほとんどのためか、フランスでは個人に向けた「生命保険」のTVCMはあまり観ません。でも代理店はちゃんとあります。

フランスではアパートを「一生もの」「終の棲家」ととして買う感覚は無く、買った後の生活に合わせて貸したり売ったりします。不動産価値が下がらないフランスだからこそできるやり方です。

不動産屋は街じゅういっぱいあり、それだけ需要が高いんだなと思います。若い一人暮らしの人が「高い家賃を払うくらいなら少しでも早く買っておこう」と購入するケースは珍しくありません。

フランスでは保険を使ってメガネを作ることができるので、メガネ屋さんがたくさんあります。大体、年に1本は作れるそう。目が悪い私には羨ましいシステムです。

フランスでは奨学金制度、文化施設の無料利用、学生に対する住宅補助等、学生、子供たちに向けた教育支援が充実しています。

公立の学校は基本的に大学まで学費が無料。他にも子供に対する手当や控除がいろいろとあり、子育てしやすい環境が整っています。

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日本人の私から見れば「守られているなあ」と感じるフランス人の暮らし。とはいえ「高い税金や社会保険料を支払っているから当然!」というのがフランス人の主張。そしてあれこれ手厚い分、問題も山積みです。何が幸せか?というのは本当に人それぞれ。暮らしとお金の関係は、お国柄の違いを大きく感じるところです。

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