気がつけば、家にいるときはほとんどキッチンで過ごしているという石井風子さん。お気に入りの雑貨や道具に囲まれながらも、どこか統一感の漂う秘密は、収納への工夫にありました。
石井風子/いしいふうこ
愛知県出身。86年に福岡で夫と(株)ウィークスを立ち上げ、数々の店舗経営を手がける。現在、生活道具店「B・B・B POTTERS」 の他、食器と道具の専門店「BBB&」、ゲストハウス「bbb haus」のディレクションを担当。
25年前、家を建てた際に整えた石井風子さん宅のキッチンは、白壁に琥珀色の細い木材がアクセントになった対面式です。
中に入ると、幅1m弱の通路の両側に、当時日本に上陸したばかりのドイツ・ブルトハウプ社の使い勝手がよくたっぷり収納できるシステムキッチンが備え付けられています。
さらに左側には厨房仕様のガスレンジ、エレクター、冷蔵庫と続き、右側には造りつけの大きな食器棚が2つ。そして、一番奥の扉を開くと、まるで小さなレストランの食料庫のようなパントリーがあります。
そんなキッチンは、道具や器のラボ(実験室)としての役割も果たしています。自分の店で売っている道具類も実際に使うことで、お客様に自信を持っておすすめできるので、できるだけ使うようにしているそう。
とりわけ、ひとつの目的のためだけに作られた道具に惹かれるそうで、レモン絞り器だけでも素材や形違いで8個もお持ちだとか。
そうなるとものは増えていくばかりでは……?と尋ねると、「道具屋なんだから、ものがたくさんあるキッチンの方が、つじつまが合っていると思うんです」とニッコリ。
「自分がときめく場所、例えば、合羽橋の道具屋街や、ベルリンのManufactum( マニュファクトゥム)やニューヨークのFishs Eddy(フィッシュ・エディ)など、ものがたくさん並んだ雑多な感じが大好きなんですね。
そのときめきを、小さくてもいいから、ここで味わえたら、ルーティンの家事も楽しみながらできるかなって」
写真/安彦幸枝 取材・文/山本ゆりこ 編集/鈴木麻子 再編集/久保田千晴
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