韓国の首都ソウルに35年住んでいた、俳優のキム・ヘナさん。都会の喧騒から離れ、穏やかな海辺の田舎町に移住。都会暮らしの頃よりも解放的な気分になったそうです。パートナーと作り上げたカフェには、たくさんのこだわりが込められています。愛する場所や人々への想いを伺いました。
前編からの続きです。
海からちょっと入った一角にあるヘナさんのカフェ「Khan」。
飲み物とヘルシーな軽食を出し、雑貨や服も置いています。
パートナーと一緒に壁を塗り直したり、彼が撮影した写真をプリントして貼ったりと手作り感にあふれていて、ビーチサンダル履きが似合う空間です。
「イメージはチングチプ(友達の家)!カフェで生計を立てる目的ではなく、みんなが集まれるアジトみたいな場所が欲しかった」。
海を訪れた人ばかりでなく近所の友人知人、またソウルから多くの人がふらりと立ち寄ります。
「ヤンヤンに遊びに来て!って言いやすいのかもしれませんね」
不在の時は、近隣の店の人など誰かがカフェを見てくれたり、何かと融通も利くとのこと。とてもゆったりおおらかな世界です。
キム・ヘナ
名門の国立芸術大学、韓国芸術総合学校の演劇院卒業。2001年『フラワー・アイランド』で鮮烈にデビュー、釜山映画評論家協会賞新人女優賞を受賞。以来、多くの映画に出演している。新作の『エウォル〜風にのせて』では、恋人をなくし傷心のまま済州島に住み着いた女性を演じた。キム・ヨンミンと共演の『母をお願い』は12月にクランクイン。TVドラマでも時代劇『イニョプの道』などで活躍。
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『ku:nel』2021年1月号掲載
写真 Kyutai Shim STUDIO HARU / 取材・文 原 千香子、Shinhae Song TANO INTERNATIONAL