
本に囲まれて暮らす読書好きな方々が、今年刊行された書籍の中で最も心に響いたおすすめの1冊をピックアップ。それぞれの作品の魅力を語っていただきました。今の時代を写しとった文芸作品から、生き方や想いに共感した本、学びのための本まで。新たな出合いのきっかけに、ぜひ手にとってみてください。

西山栄子/にしやまえいこ
ファッションコーディネーター
ファッションとライフスタイルのトレンドを分析・提案。50年間にわたり集めたお気に入りのバッグや洋服を紹介するサイトを計画中。
今後の人生計画に考慮すべきテーマが見つかる

歴史人口学者、家族人類学者である著者がウクライナ戦争を読み解く。長期化する消耗戦の中で世界経済への影響なども予測。858円(文藝春秋)
家族関係の視点からソ連崩壊を予言したフランスの社会学者、エマニュエル・トッド氏がお気に入り。ウクライナ戦争とそれを取り巻く世界の地政学的な問題、国々の事情などに触れながら、すでに第3次世界大戦が始まっていることを証明しようとしています。アメリカとともに西側に安住している日本は、ウクライナ戦争の背景を読み取りにくい。この戦争に第2次世界大戦に似たキナ臭さを感じていましたが、やっぱり、と腑に落ちました。
今、日本が衰退を続ける理由や、円安、物価高、エネルギー不足の原因につながっていることもわかります。

そこそこうまくやっている二谷、皆が守りたくなる存在の芦川、仕事ができる押尾。職場を舞台に、微妙な人間関係を描く。1,540円(講談社)
また、2022年芥川賞受賞作の高瀬隼子さんの作品は、テーマが職場ということで親近感が。人間が生み出す不思議な感情の力関係に惹かれます。職場や人間関係で生き抜くヒントに!
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