【黒田トモコさんの好きなもの】心の支えになってくれる愛猫のクッション

黒田トモコさんの好きなもの

心の支えとなっているもの、暮らしで頼りにしているもの。「愛するもの」についてのストーリーを語っていただきました。

「くららは私の守り猫だったんです」と言いながら、黒田トモコさんが愛おしそうに抱きしめているのは、 愛猫のくららの写真が両面にプリントされた等身大のクッション。2006年に見送って以来、ずっと支えてくれている大切な存在です。

TOWAVASE(トワヴァーズ)のワンピースを着ている黒田トモコさん
自身がPRを務めるTOWAVASE(トワヴァーズ)のくらら色ワンピースの黒田さん。棚にも<くらら色>のオブジェや器がずらり。

「実家では犬を飼っていて、それほど猫には興味がなかったんです。でもとても寒い夜、仕事帰りに出会った白い子猫が家までついてきてしまって……。面倒を見ることにしたのですが、すごく弱っていたので、2週間で亡くなってしまったのです。初めて生きものが目の前で亡くなったことがすごくショックで。そんなときに、夫の甥が河原で拾った子猫がくららでした」

くららはこの家の最強の女ボスだった、と笑う黒田さん。1匹ではかわいそうだと飼った三毛猫のかりんとは仲が良かったものの、その後にやってきた白猫のごまのことはどうにも好きではなく、距離を保ち暮らしていたそう。

「とにかく気性が激しい子でしたが、 愛情深さの裏返しで心根は優しかったんだと思います。『家の平和は自分が守る』という、姉御肌的なところがありました。かりんちゃんとごまちゃんは長生きしたのですが、くららは9歳までしか生きられなくて。直前まで元気だったし、突然のことだったので、一番最初の猫のチロチロを亡くしたとき以上に心の傷になり、何を見てもすぐ泣いていましたね」

立ち直れなかった黒田さんに、グラフィックデザイナーの夫が用意してくれたのが、くららの写真を等身大でプリントした布。そのままの形でクッションに仕立てると、くららがそこにいるように感じられました。

黒田さんの愛猫の写真でオーダーしたアニヤ・ハインドマーチのバッグ
くららの写真でオーダーしたアニヤ・ハインドマーチのバッグ。「こんな感じでバッグに入れて、機内に持ち込んでいました」

「もらったときは大泣きしました。ちょうどその頃、勤めていた会社の環境も激変し、仕事で苦労していた時期だったので、本当に心の支えになりました。当時頻繁に行っていたパリへの出張にも連れて行き、仕事からホテルに帰ってきては、その日の話を聞いてもらいました。私の涙やどろどろした思いを全部吸ってくれた感じです」

無意識に集めた愛猫の色がお守りに

黒田トモコさんの愛猫・くららの写真
まだ携帯電話で写真を撮っていなかった時代のため、くららの思い出はすべてプリントした写真。箱に入れて大切に保管しているそう。
黒田さんお気に入りのリサ・ラーソンのオブジェ
リサ・ラーソンのオブジェには、くららがつけていた首輪を巻いて。「不仲なくららとごまを思い、家族仲を良くするという石をつけていました」
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現在、たくさんの猫グッズが並んで いる、黒田さんのショールーム兼ご自宅。集めるようになったのは、くららを見送ってからなのだとか。

「くららは、初めてきちんと向き合った猫。私とずっと一緒にいたし、身体も大きくて存在感があった分、喪失感もありました。他の猫たちともちょっと違う絆があったと思います。だからくららに似ているオブジェがあると、つい買ってしまいます。最初に買ったのはリサ・ラーソンのオブジェ。でっぷりとした体型も似ているんです」

取材当日にも身につけていた茶色のジュエリーやワンピースなど、無意識に、<くらら色>を選んでいたことに気がついたといいます。

「お守りのようにつけている『リニエ』 のジュエリーは、くららの目や毛並みの色に似た石を使ったもの。その石・ ルチルキャッツアイが愛情と仕事運のパワーを持つとされていることも、今の私にぴったりでした。洋服もベージュや茶色のものが多くなりました。器や花器も……。気がつけば<くらら色>ばかりですね」

黒田トモコさん愛用のリニエのルチルキャッツアイのリングと、スタールチルのネックレス
ルチルキャッツアイのリングと、スタールチルのネックレスはリニエのもの。くらら色のヴァンクリーフ&アーペルのネックレスも。
黒田さんの愛猫たちが身につけていたビーズの首輪
くららが最初につけていたブルーのビーズの首輪は、かりんとお揃い。「毛並みの色が合う方を選びました。このときは小さかったですね」
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さて、その後、かりんを19歳で、ごまを21歳と半年で見送った黒田さん。 まだ新しい猫を迎える気持ちにはなれないといいます。

「チロチロに出会っていなかったら、 かりん、ごま、最後に保護したにゃおとも会っていなかったと思います。猫で人生が変わりましたね。今はまだ自分から積極的に動けませんが、これまでの子たちのように、また巡り合いがあれば、そのときは受け入れようと思 っています」

『クウネル』2022年7月号掲載

写真/鈴木静華、取材・文/赤木真弓

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