在パリ6年のクウネル・サロンメンバー松永加奈さんのフランスレポート。今回のテーマはカフェ。世界中のカフェ好きさんが集まる、老舗中の老舗カフェ、「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」の近くにある、あのカフェです!「行ったことあるわ」という方も多いのではないでしょうか?
名所旧跡がいっぱいのパリ。でも、住んでいると「いつか機会があったら行こう」と、訪問が後回しになる有名スポットが未だにたくさんあります。その1つが老舗カフェ。観光客のほとんどいない、空いている今がまさにその機会かも? というわけで、2つの老舗へ「朝カフェ」に行ってみました。
Les Deux Magots
1軒目は、6区の「Les Deux Magots」(レ・ドゥ・マゴ)。パリ最古の教会「サン・ジェルマン・デ・プレ教会」の向かいにあります。
1885年創業の同店には多くの作家やアーティストが通い、詩人ランボー、作家のへミングウェイ、画家の藤田嗣治やピカソも常連だったそう。訪れたときはまだテラス席のみの営業で、創業当時からの雰囲気を店内で味わうことは叶いませんでしたが、そこはパリ。街の佇まいも昔からほぼ変わっていないので、情緒ある教会を眺めながら、かの偉人たちに思いを馳せつついただくコーヒーは格別~と優雅な気持ちに浸っていると、「こんにちは」と挨拶を交わす方たちが。みなさん常連さんのようで、いつもの席と思われるテーブルに着き、エスプレッソを飲みながらゆっくりと新聞や本を読む姿の貫禄たるや!彼らが無意識に放つ素敵なオーラに、自分がまだまだ人生のひよっこだなと感じました…。
Café de Flore
そして2軒目は、ドゥ・マゴの並びにある「Café de Flore」(カフェ・ド・フロール)。
1887年頃に創設され、アーティストをはじめ、映画監督や脚本家も集まっていたという老舗です。こちらもまだ店内営業は休止中で、テラスでの朝カフェ。礼儀正しくユーモアたっぷりのギャルソンが、入り口横のテーブルを案内してくれました。コーヒーはドゥ・マゴ同様、ポットで運ばれてくるスタイル。紙のテーブルクロスにはサン・ジェルマン・デ・プレの街の様子がかわいらしく描かれていて、朝食をいただきながら気分も上がります。
ひっきりなしにゲストがやって来る様子に人気の高さを伺いながら、トイレをお借りした際に店内の様子をちょっと拝見。赤いソファに直線的な白い柱、「古き良き」という言葉がしっくりくるようなアール・デコの内装には、私がイメージする「パリのエスプリ」がありました。
時を同じくして誕生し、激動の時代を歩んできた2大カフェ。芸術や文学、モードの花を開かせてきた人々が出会い、熱い思いを語り合ってきた場所だと思うと、ちょっとわくわくしてきます。そして、高級老舗カフェと呼ばれるのにふさわしい、完璧なホスピタリティにも感動(パリではいろんなタイプのサービスを受けているのでなおのこと)。次回は店内でゆっくり時間を過ごしてみたいものです。
●松永加奈さんのパリ案内
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