【松永加奈のフランス便り41】もうすぐ日本でも流行るかも。パリで話題のパン〈バブカ〉って何?

フランス パン

在パリ6年目の<クウネル・サロン>プレミアムメンバーの松永加奈さんのパリレポート。今回のテーマは、フランス人の主食・パンについて。パンの本場で、近年話題の〈バブカ〉や真っ黒なパンとは?

フランスの食卓…というより、日常に欠かせない「パン」。日本で「ごはんさえあれば」という感覚と同じように、フランスではいつでもどこでも「パンさえあれば大丈夫」。基本的にごはん党の我が家ですが、家から徒歩10分圏内に10軒以上のパン屋さんがあるので、朝食やおやつにはしょっちゅうお世話になっています。

朝食用の我が家の定番はバゲット、クロワッサン、パンオレザン。バゲットは縦にカットしてバターやコンフィチュールをのせタルティーヌに。

友人宅のアペロに買って行ったバゲット。お店の人ですら「あちっ!」と叫んだほど、持てないくらいのあっつあつは、今まで1番の美味しさでした!

屋外で集まるときに現れるバゲットの束。夏のピクニックにはバゲット、ロゼワイン、チーズがあればそれでOK。

職人さんが次々焼き上げていく様子。パンが焼ける香りが辺りに漂うのはこのタイミングで、見知らぬお店にふらふらと入ってしまうのはこんなとき。

どのスーパーにもパン工場直送のパンが並びます。スーパーのお隣や目の前にパン屋さんがあっても、ここから買う人は結構多いのです。

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パン屋さんには、バゲットやカンパーニュなどバターや砂糖を使わないパン、クロワッサンやブリオッシュのようなバターたっぷりの甘いヴィエノワズリー(菓子パン)、その他にサンドウィッチや、お店によってはケーキや焼き菓子なども並びます。

とにかくバゲットさえあれば

どれも普段の食事やおやつに食されますが、特にバゲットは、人が集まるピクニックやパーティでもマストな存在。友人宅のアペロへ向かう途中「バゲット買ってきて」と連絡があるのはお約束。ホームパーティに伺ったお宅のテーブルの下に薪の束があると思ったら実は大量のバゲットで、「こんなにたくさんどうするの?」と思っている間に次々と消費され、パーティが終わる頃にはバゲットも終了。おつまみに主食にと、その万能ぶりに驚いたこともあります。

フランスでサンドウィッチといえばバゲットサンド。定番の「ジャンボンフロマージュ」(写真中央)はその名の通りハムとチーズのみの素材勝負。

よく行く近所のパン屋さんの食事用定番コーナー。「PAIN DE MIE」(パンドミ)をはじめ、ライ麦、トウモロコシ粉、全粒粉のパンなどなど。

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日本の「食パン」のような「パン・ド・ミ」という角食もありますが、生地は日本に比べるとちょっと固め。スーパーにはカットされた袋入りがあり、クロックムッシュやサンドイッチ、子供の軽食にも使われることが多いようです。街のパン屋さんには、昔ながらのシンプルな『定番』が揃っていることは大前提で、チーズやトマト、フルーツ、ナッツ類などが入ったパンはありますが、日本の『お惣菜パン』的なものはありません。

パリでブームのバブカ

そんな中、最近人気なのが「BABKA(バブカ)」。バターたっぷりのブリオッシュ生地にチョコレートが入った中東発祥のこのパンは、ブリオッシュもチョコレートも大好きなフランス人(と私)の心をわしづかみ!今やいろんなお店で見かけるようになり、専門店には絶えず行列が。

一般のパン屋さんにも続々と登場するバブカ。もちろんお店によって形も味も違いがあります。これはころんと丸いタイプ。

私のお気に入りのバブカは日本にも支店がある「LIBERTE」の量り売り。ハイカロリーと分かっていても、一度食べ始めると止まらないのです…。

9区のバブカ専門店「Banka Zana」はピスタチオ入りなど種類も豊富。大人気でこの1時間後に通ったときにははすべて売り切れていました。

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真っ黒パンも流行中

また、人工的な品種改良がされていない「古代小麦」が原料のパンも話題です。安心安全であることはもちろん、かむほどに広がる古代小麦の深い味わいが、パンを愛する人々から支持されています。さらに、ベジタブルカーボン(活性炭)や黒ごまを使った真っ黒いパンも登場。食感や味だけでなく、今までにない見た目のインパクトでも注目されています。

近年話題の炭入りバゲット。デトックス効果を謳っているようですが、私はもっちりした食感が好み。当然、中も真っ黒です。

こちらはごまペーストが入った黒ごまパン(手前)と黒ごまクリーム入りのエクレア。フランスではごまはヘルシーというイメージもあり人気。

ときどき無性に食べたくなるもっちりふわふわの食パン。そんなときは日系の食パン専門店「Carré pain de mie」へ。こちらのサンドウィッチはフランス人にも人気。

昨年オープンした日本人パン職人さんのブーランジュリー「Shinya Pain」。古代小麦を使ったパンを求めて、夕方のオープン時には長蛇の列が。

同店の野菜のフォカッチャ、この日はオニオン。口に広がるパン生地の味わい深さとおいしさに驚きながら、あっという間に完食してしまいました。

スーパーの袋入りパン。パンドミには厚切りはなく、どれもサンドウィッチ用の薄切り。日本人にはなじみがないくらいぱさぱさで水分量は少な目です。

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多くの規制がかかる昨今の状況下でも、新しいパン屋さんは次々とオープン。味や食感、素材へのこだわりを聞いては「行ってみたいお店リスト」に書き込みが増える一方、歩いていてパンの焼けるいい匂いしてくると、ついふらふらとそのお店へ…。パリにはおいしいパンは数あれど、最後は「焼き立てにはかなわない」と思ってしまう私なのでした。

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