1冊の本から知識が広がり、日常生活がさらに充実できることも。 食や健康、お金のことなど、毎日の暮らしに役立っているというおすすめの本を、それぞれの分野に詳しい人や読書好きな人たちに聞きました。
高 由貴子さん /こうゆきこ
和菓子ジャーナリスト(64歳)
東京都出身。スタイリスト等を経た後、和菓子好きが高じて和菓子ジャーナリストに。講師としても活躍。著書に『東京いとしの和菓子 あんころりんのおやつめぐり』(ソニ ー・マガジンズ)がある。
入門編から専門書まで自分のレベルに合った本を
「実用書は通読ではなく、その都度、一番知りたいことを、ぽちぽちとつまみ読みするような感じですね」と話す、 和菓子ジャーナリストの高 由貴子さん。 紙の本の良さは、まずは信頼がおけること、そして体系的に知識が得られるところにあると言います。
私は“食”に興味があるので、実用書も食の関連が多くなりますが、例えば和菓子なら材料、道具、その使い方と総じた形で見せてもらえるのがいいですね。そして書物は何より文章が面白い。『聞き書シリーズ』なんてあまりにも面白いので、つい4冊も購入してしまいました。削ぎ落としていないカウンター部分にも魅力を感じます」
また、「あまり興味が持てないけれど、ちょっと知りたい」という分野に関しては、あえてジュニア向けの実用書を読むのだそう。「宗教や哲学って難しい印象がありますが、ジュニア向けならちょっと時間があるときに気軽に読めるので、入門書としてはすごくいいと思います」。気軽な入門書からマニアックな専門分野まで。実用書は自分のレベルを見極めて選ぶのもポイントかもしれません。
『クウネル』2023年1月号掲載
取材・文/井出千昌、編集/黒澤弥生