京都在住のフランス人通訳ガイドが勧める絶対訪れたい「パワースポット」とは?

歴史が大いに感じられ、自然が近く、美食に溢れる街・京都。 パリと京都は何かと共通点が多いこともあり、特にフランス人にとって特別なよう。京都市認定の通訳ガイド・カトリーヌさんに、フランス人ならではの視点で、お気に入りの京都を案内してもらいました。

PROFILE

カトリーヌ・カナイ/Catherine Canayer

コーディネイター。京都市が認定した通訳ガイドとして、おもにフランス人観光客のニーズに応じて、神社仏閣、伝統的工芸品の工房、花街などを案内している。

心がほっとしてやすらげる場所

境内には赤い鳥居が並ぶ、「豊川稲荷大明神」も。

日本に暮らして30年以上。2009年に長野から、パートナーの故郷である京都に移り住み、今年で14年目になるというカトリーヌさん。以前は便利な錦市場近くに暮らし、自転車で市内を巡るのが楽しみで、その頃に見つけたのが『妙音堂』だそう。

「有名な神社仏閣にも訪れますが、混んでいて落ち着かないことも。ここはひとりでよく訪れる、静かで心やすらぐ、大好きな場所です。いつも座る定位置があり、心地よい風を感じながら、懐かしい両親のことを想います」

『出町桝形商店街』も必ず立ち寄る場所。古書店で初孫の絵本のほか、勉強中の和食の専門書、二十四節気と七十二候に関する本を探すことも。

現在は自然豊かな八瀬に暮らし、「八瀬赦免地踊」のシンボル、「切子灯籠」の「透かし彫り」を習っているそう。

「実際の祭りに使われるものではなく習っているだけなのですが、上手な人のものは本当に細やかです。美しく化粧をした少年たちがこの灯籠を頭上にいただき、神社へ踊りを奉納します」。

この教室で知り合った仲間たちと訪れたのが、先斗町にある和食の店『うしのほね』だったのだそう。地元人ならではの視点で見つけた、心がほっとする静かな場所や、知る人ぞ知る幻想的な祭り。暮らすように旅をする京都も、また素敵だと思わせてくれました。

妙音堂

手水舎で両手を清め、本殿へお参り。「いつもきれいに掃除されていて、お花が飾ってあるのもほっとします」

正式名称を「青龍妙音弁財天」といい、相国寺塔頭・大光明寺の飛地境内に建つお堂。「妙音」とは優れた音楽の意味で御利益のひとつに技芸上達があり、絵馬にも琵琶を弾く女神が描かれる。

「私だけのパワースポットで、ここにくると心が安らぎ元気が出ます」

本堂裏にある、白色が美しい六角堂。周囲を年の数だけ回ると、願いが叶うと伝えられる。

妙音堂

住:京都市上京区 青龍町266-3
営:無休

出町桝形商店街

アーケードには笑顔になる言葉など、買い物が楽しくなる工夫が。『ふじや鰹節店』では健康のため、ヨーグルトなどに加えるきな粉を買うことが多い。

鯖街道の終着点として知られる、歴史ある商店街。生鮮品はもちろん、『出町座』という映画館や、2軒の古書店もあり、文化の香りも漂う。銘菓〈阿闍梨餅〉の販売店を併設する『マツヤ食料品店』や、付近には豆餅で知られる『出町ふたば』もありお土産探しにもぴったり。

大衆食堂『満寿形屋』では京都名物〈鯖寿司〉を気軽に楽しめる。

味わい深い店構えも魅力。

出町桝形商店街

京都市上京区桝形通出町西入二神町179 ・ 各店舗に準ずる https://masugata.demachi.jp/

うしのほね 本店

テーブル席のほか、10月頃までは天候により川床席も(座敷席)。

1985年創業。先斗町の路地奥にある京町家で、季節感のある創作料理を提供。「少し特別な京都らしい食事が楽しめ、海外から友人が来た際などにも喜んでもらえます」。看板メニューの〈うしのほね風シチュー〉や〈炙り鯖寿司〉のほか、秋は松茸や名残鱧を使った料理も。

〈名代できたて豆腐〉。甘味のある北海道産とコクのある九州産、2種類の大豆から搾りとった豆乳を蒸し上げ、できたてを提供している。

風情ある先斗町の散策も楽しめる。

うしのほね 本店

住:京都市中京区先斗町三条下ル若松町137-12
電:12:00~13:00、17:00~24:00
休:不定休
予約:可(ランチは予約制)
https://www.ushinohone.com/

『クウネル』11月号掲載 撮影/石川奈都子、取材・文/野崎 泉

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