【大人の遠足】「走るBAR」でウイスキー、ビール、清酒の製造所巡り。夢のバスツアー

学芸大学の生活雑貨の店『MIGO LABO』の店主であり、フォトグラファーとしても活躍する、〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバー石黒美穂子さんが、魅惑的なバスツアーを紹介してくれました。「ネストビール」で有名な木内酒造が主宰するもので、ウイスキー、ビール、清酒の製造所を巡るのだそう。

バーコーナー併設のバスで東京駅を出発!

お酒好きにとって、蔵元や醸造所などを訪ねるのは知的好奇心と飲み助の欲求を同時に満たしてくれるナイスなスポット。しかし、車で行った際は試飲を我慢しなくてはいけないのが悩みのタネです。

この悩みを解決してくれる素晴らしいツアーがあると聞いて行ってきました。ウイスキー、ビール、清酒の製造所を1日で巡るBAR BUS HITACHINO 。ツアーを企画しているのは木内酒造。製造拠点は東京から車で1時間半ほどの茨城県内にあります。せっかくならバス運行と車内でお酒を楽しんでもらおうというアイディアを思いついたそうです。

これだけでも嬉しいのですが何とバスの中にバーカウンターまで作り、車内はフリードリンクというお酒好きには夢のようなツアー。バスに乗り込みクラフトビールやハイボールなど好きなものをオーダーし、グラス代わりのタンブラー片手にいざ出発。

バスは東京駅近くの鍛冶橋駐車場から出発します。高級感のあるウッディーな車内。座席を回転させることができるので仲間同士なら向かい合わせにしても使えます。写真提供:木内酒造

車内では常陸野ネストビールの他に日の丸ウイスキー、日の丸ジン蔵風土、木内梅酒を好みの飲み方でオーダー出来ます。

オリジナルロゴの入ったタンブラーはお土産としてお持ち帰り。出発前とサービスエリアなどバスの停車中がバータイム。

日の丸ウイスキーの製造拠点『八郷蒸溜所』

バスでのバータイムを満喫していると日の丸ウイスキーを製造している八郷蒸溜所に到着。日本の里山100選に選ばれる日本の原風景が残るのどかな八郷エリアにあり、バスを降りると思わず深呼吸。

蒸留所から見える筑波山。抜けの良いロケーションは蒸溜所の魅力のひとつ。

まずは元公民館をリノベーションした蒸溜所を見学。ウイスキーの製造過程の説明を受けました。木内酒造のウイスキー造りはウイスキーの材料としてビール用の麦の中に含まれているビールには向かない麦を活用することから始まったとか。

木内酒造はこのように生産から提供まで資源を無駄にしない循環型システムに取り組んでいるそうです。

 

味わいのある樽が並んだ貯蔵庫の中はどこか厳かな雰囲気が漂います。

樽ごとにウイスキーの熟成具合が違い、色や香りを愉しめます。普段、なかなか目にすることのないさまざまなタイプのウイスキーは敷地内のショップで購入可能。

発酵後の蒸留が行われている銅製の蒸留器。八郷地区は良質な水に恵まれており、昼夜の寒暖差が大きくウイスキー作りに適しているんだとか。

お待ちかねの飲み比べタイム!

見学後はランチを兼ねた軽食タイム。ここではウイスキーのテイスティングが用意されていました。パンチの効いたバーボン樽のものやスッキリした飲み口のラム樽のものなどじっくり飲み比べるとウイスキーの奥深さに引き込まれます。

ウイスキーの美味しい仕込み水で割り水をしながらのテイスティング。

芳醇なウイスキーとシャルキュトリの食べ合わせもバッチリ。

ウイスキーと一緒に用意されていたプレートには敷地内にある常陸野ハム工房の生ハム、ピスタチオやハーブの入ったハムが盛られていました。

これらの材料は同じ石岡市八郷地区の農場で育てられた「常陸野ポーク」が使われています。飼料にはウイスキーの製造過程で出る麦芽粕を使い、スモークにはウイスキーを熟成させた樽のチップを使うなど、環境への負荷を軽減する循環型のシステムによって製造されてました。

地元の野菜を使ったピクルスや蕎麦ふすまと天然酵母のフォカッチャが美味。コンソメスープもあり見た目以上に食べ応えあるワンプレート。

敷地内の常陸野ハム工房はガラス張りでスタッフの作業の様子や美味しいそうなサラミや生ハムが熟成されているところも見られます。

世界でも愛される常陸野ネストビール

バスは次の見学場所額田醸造所へ。2007年に新設された工場で常陸野ネストビールはここで製造しています。

木内酒造がビール業界に参入したのは1996年。慣れないビール製造に試行錯誤しながら製造ラインを造り上げ、発売の翌年に世界大会で金賞を受賞。今では世界約40ヵ国に市場を広げているそうです。

醸造所見学では菌の影響があるのでシャワーキャップと靴のビニールカバーを着用。(ツアー参加前には納豆をお控えください。)と事前のお知らせもありました。

原料のホップに直接、触れる貴重な体験。手の上で潰すとほのかにほろ苦い香りが。

フレッシュな出来立てビールの美味しさは格別。折角の機会なのでスタッフから教えてもらった追ホップビールにトライ。

現在、材料となる麦は輸入に頼っていますが地元農家が栽培した麦を使うなど常陸野ブランドをより強くするためのビール造りにも取り組んでいるそうです。

最後は酒蔵と日本酒ディナー

ツアーの最終目的地・本家本元の木内酒造にある酒蔵鴻巣の蔵を見学。その後、敷地内にある『蔵+蕎麦 な嘉屋』のディナーコースを頂きました。お料理は一皿ごとに日本酒とのマリアージュが最高で食が進み、最後の蕎麦は地元の野菜たっぷりのけんちん汁とともに頂き、充実した1日を締めくくりました。

私のような食いしん坊かつ飲み助さんには夢のような1日。次回はお酒好きな仲間を誘って、ワイワイガヤガヤと大人の社会見学に良さそうと妄想。今もツアーの余韻に浸っています。

趣のある鴻巣の蔵では仕込み樽を利用したベンチでひと休み。私が訪れた時は庭の梅が美しい時でした。

日本酒を知り尽くした蔵元ならではの贅沢なラインナップ。

春が旬のブランドハマグリには大吟醸の酒粕を使ったソースと。お酒は爽やかな微発泡の春待月を合わせて春らしいマリアージュ。

お蕎麦は昨年末、私の好きなテレビ東京の番組『タクシー運転手さん 一番美味い店に連れてって!』で取り上げられていました。

バーバス常陸野

バーカウンター付き専用バス「BAR BUS HITACHINO」で蒸留所、醸造所、酒蔵などを巡り、常陸野の魅力を体験するガストロノミーバスツアー。

いろいろなコースがあり、本記事で紹介したのは「常陸野めぐり」コース
料金:平日/21,800円、土日祝/24,800円

催行日など詳細はHP

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この記事の
プレミアムメンバー

石黒美穂子

フォトグラファーとして女性誌、WEBなどで活躍。生活雑貨のセレクトショップ「MIGO LABO」(東急東横線・学芸大学駅)のディレクターも務める。
https://www.migolabo.com/
Instagram : @migolabo @ishiguromihoko

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