【島田順子さんの愛用品ストーリー】手入れをして自分だけのものにする過程を楽しむ

どうしても手放せないアイテムには、出合いや理由、その人なりの使い方があるもの。素敵な人が語る愛着のあるものの背景には、忘れられない思い出や意外な秘密が隠れています。初回は島田順子さんの愛用品ストーリーをお届けします。

PROFILE

島田順子さん

ファッションデザイナー。千葉県館山生まれ。1981年JUNKO SHIMADA DESIGN STUDIOを設立。2023-2024秋冬でコレクション発表が84回目に。待望の著書『島田順子 おしゃれも生き方もチャーミングな秘密』(マガジンハウス)が好評発売中。
Instagram : @junko_shimada_paris

手入れをして、自分だけのものになる過程が楽しい

ジャケット13万2,000円(JUNKO SHIMADA/ジュンコシマダ、03-5652-5650)、 靴、時計(ともに本人私物)

愛用品はたくさんあるのよ、と話す島田順子さん。そのうちの一つがシルバーのカトラリーです。「感覚的ですが、銀のカトラリーのほうがステンレス製のものよりも、食べたときの口当たりがいいんです。だから料理の味が美味しく感じられる。そうやって実用にこだわって選んできたら、自然とたくさん集まりました」

パリでショーが終わると自分へのご褒美として少しずつ買い揃え、今ではもう何本あるかわからないほど。昔、マドレーヌ広場の角にあった老舗銀食器店オディオのものがお気に入りです。「人を招いたときはもちろん、一人のディナーでも、カトラリーや燭台が美しく輝いていると心が華やぎます」

少しずつ買い揃えてきたシルバーのカトラリー
特にスープを飲むとき、スプーンの縁に唇の当たる触感が柔らかくて心地いいですね」。コレクションが終わるたびに日頃買えないものを手に入れていましたが、それが靴やバッグから食器や鍋などへと変化。同じ店で同じデザインのカトラリーを買い揃えてきました。ときどきクロスとクリーナーで磨きます。

高田賢三さんからも「いつも履いてるね」と言われたJ.M.ウェストンの靴

ジャケット132,000円、パンツ88,000円(すべてJUNKO SHIMADA/ジュンコシマダ、03-5652-5650)、 靴、時計(ともに本人私物)

実用といえば、『J.M.ウェストン』の靴も足に合うので履き続けています。「約50年前にパリに来て、ここの靴を履き始めたらやめられなくなってしまって。ハイヒールではないレザーシューズは、これ以外はなかなか長く履けません。賢三(高田賢三さん)からも『順子はいつもウェストンの靴を履いてるよね』とよく言われました」

今はシャンゼリゼやサントノレにショップを構え、デザインも豊富に揃えているブランドですが、以前は17区にあり、腕の立つ職人が働く小ぢんまりした店でした。そこで、まだ種類が少なかったレディスのものを選んで購入。「足の幅や甲の高さを測り、歩くときの癖も計算して作ってくれるようなオーダーメイドのシューメイカーでした。自分だけの一足だから、長年修理やメンテナンスをして履いています」

おいしくなるから、歩きやすいからと、実用優先で選んできました。
1946年に生まれ、グッドイヤー製法で作られる<シグニチャーローファー#180>は、ブランドを代表するモデル。ベーシックなカーフ〈右〉とスペシャルなクロコダイル〈中〉のタイプを履いています。ハーフハント〈左〉もレディスではあまり見かけないデザイン。保管するときは大切にシューキーパーをつけて。

履きすぎて限界が来ると、また買いに行くという順子さん。同じ形を作っているのでリピートできるのが嬉しい。「夫もここの靴を持っていて、彼は東京のホテルオークラにいた有名な靴磨きの達人に手入れを頼んでいたので、帰国時には、私も便乗してお願いしていました。靴は履き込むほど自分の足になじんでいきますし、磨けば磨くほどツヤが出てくるもの。シルバーのカトラリーもそうですが、手入れをしながら長く使って、自分だけのものにしていくのが楽しいですね」

『クウネル』2023年5月号掲載
写真/松永学、 取材・文/綿貫あかね、 編集/黒澤弥生

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『クウネル』No.120掲載

センスのいいあの人の愛用品

  • 発売日 : 2023年1月20日
  • 価格 : 980円 (税込)

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