健康であればこそ!食事や運動、生活習慣を見直してすぐ実践。【新・養生訓/前編】 

新養生訓前編・メイン画像

江戸時代、儒学者で医者の貝原益軒が83歳のときに健康・長寿のための心得を記した『養生訓』。それから約300年以上が経ち、医学も目覚ましい進歩を続け、新しいエビデンスも次々と発表されている今、クウネルで現代版『養生訓』をつくってみました。

新・養生訓1_不調の原因は意外にもねこ背?

新養生訓・不調の原因は意外にもねこ背?

北里大学大学院医療系研究科整形外科学教授の高平尚伸さんは、「ねこ背の人は呼吸が浅くて酸素が不足し、高血圧・むくみ・疲れ・だるさ・無気力・不眠も招く危険大」(『ねこ背何歳からでも自力で治せる!整形外科の名医が教える 最新1分体操大全』/文響社)と著書で説く。ねこ背で肋骨が動かないと酸素が不足し、酸素不足で交感神経が刺激されて高血圧が促され、その結果、自律神経のバランスが崩れて無気力や不眠、血流低下のまま歩くことでむくみや疲れ、だるさを招きやすくなる仕組み。その不調の元凶は、意外にもねこ背?

新・養生訓2_”無駄な動き”が自律神経を整える?

新養生訓・無駄な動きが自律神経を整える?!

自律神経は食欲の調節や脂肪燃焼に大きな影響を与える。これは肥満研究の世界では広く認められている事実。京都大学名誉教授の森谷敏夫さんは加齢によって衰えていく自律神経を鍛える方法のひとつとして、こまめに動くことを著書でも推奨。「立つ、座る、歩く、立ち止まる、かがむ。少し時間があったら、家の中や職場を5歩でも10歩でも歩く......。無駄に動けば動くほど、自律神経は鍛えられます」(『太りやすい人ほど痩せる!京大式 脂肪燃焼メソッド』/青春文庫)。動くことによる心拍や血圧、呼吸の変化が自律神経を刺激するという仕組み。

新・養生訓3_老化は避けられる!?

新養生訓・老化は避けられる!

欧米では現在、老化はもはや避けられない運命ではなく、予防可能な病気として認識されている。「生物学の最新の知見では『老化は避けられる』が常識になりつつあります。(中略)その解となりうるのがオートファジーです」(『不老長寿の食事術 オートファジーで細胞から若返る』/KADOKAWA)と著書に記す大阪大学教授の吉森保さん。オートファジーは機能が低下した細胞内のタンパク質を壊して再合成するシステム。一日三食、よく眠る、発酵食品、適度な運動など、昔から体に良いとされてきた食事や生活がオートファジーを活性化させるという話。

新・養生訓4_歯周病は全身の病のもと

新養生訓・口内の汚れは全身の病のもと

東北大学大学院歯学研究科特命教授・竹内研時さんは統計解析のプロフェッショナル。あるデータから「歯科疾患を放置している人はそうでない人に比べて2年間で約1.6倍医療費がかかる可能性があります」(論文:Kinugawa A, et al. J Periodontol 2026)ということを示唆している。歯科を受診したグループと受診しなかったグループを2年間追跡し、累積医療費を比べたところ、後者の方が約1.6倍医療費が高かったという。歯周病は糖尿病など全身の病のきっかけになることは、すでによく知られている。放置は禁物。

新・養生訓5_健康リスクにつながる甘い罠

新養生訓・健康リスクの高い、甘い罠

ソフトドリンクなどに含まれていることもある果糖ぶどう糖液糖は糖と果糖から作られた液体甘味料で、果糖の含有率が50%以上90%未満のもの。吸収スピードが速く、血糖値の上昇や脂肪肝のリスクを高めたり、肝臓にダメージを与えることが知られている。脂肪肝に詳しい栗原クリニック東京・日本橋院長、栗原毅さんは「ラベルを確認して果糖ぶどう糖液糖が含まれた飲料は避ける習慣をつけましょう」(『Tarzan No.916 肝臓・腎臓・ 膵臓』/小社)という。液体以外の加工食品に含まれている場合もあるので、ラベルをこまめにチェック。

新・養生訓6_日本特有の入浴文化は長寿の秘訣

新養生訓・日本特有の文化は長寿の秘訣

東京都市大学教授で温泉療法専門医の早坂信哉さんの研究チームが、かつて行った興味深い調査がある。全国65歳以上の自立高齢者約1万4000人を3年間追跡調査したところ、著書で「『週に7回以上湯船に浸かる人』は、『週2回以下の人』に比べて、要介護認定を受けるリスクが29%低い」(『入浴それは、世界一簡単な健康習慣』/アスコム)と。血流の改善、免疫機能のアップなど、さまざまな健康効果が期待できる日本特有の入浴文化は長寿の秘訣という可能性もあり。高齢でも制限なき生活が送れる健康寿命を伸ばすためにも入浴を習慣にしたい。

新・養生訓7_選択肢があるなら、鶏肉や魚を

新養生訓・レッドミート

大腸ケアのために「レッドミートは毎日食べない」(『Tarzan No. 831 疲れないカラダ』/小社)という食生活の条件を掲げたのは、救急総合診療科医でウェルネス代表取締役の中田航太郎さ ん。レッドミートとはいわゆる赤身肉ではなく、牛、豚、羊、馬など哺乳類の肉のこと。2015年に国際がん研究機関がレッドミートと大腸がんの関連を報告したことで話題となった。絶対食べるなという意味ではなく、頻度を減らして適量食べることが推奨されている。メインディッシュに選択肢があるなら、鶏肉や魚を選ぶ習慣をつけたい。

『クウネル』2026年7月号掲載
イラスト/浦野周平、編集/河田実紀

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