【広瀬裕子さん、57歳からのシルバーヘア計画14】2年間の移行期間がとうとう終わりました
エッセイストの広瀬裕子さんは57歳になり、ヘアカラーをやめ、シルバーヘアにしてみようと思ったそう。その過程をクウネル・サロンで寄稿してくださいます。
2022年7月からスタートした【広瀬裕子さん、57歳からのシルバーヘア計画】連載。2年近い移行期を経て、いよいよフィナーレ。これまでを振り返った特別インタビューのYouTube【60代に向けて】広瀬裕子さんがかっこいいシルバーヘアになるまでも一緒にお楽しみください。
この春──。2年間、伸ばしてきた髪を切った。カラーが残っていた部分をすべてカットしたので、わたしの髪は自分本来の髪色になった。最近は、ほとんど髪を束ねていたので、切った直後はカガミを見ても「切った感」がそれほどなかったけれど、サロンの床に落ちた毛束を目にした時「とうとう」という気持ちになった。長かったような、あっという間だったような、ふたつの気持ちが交差した「とうとう」だ。
57歳になった時に「カラーをやめよう」と決めたので、2年かけシルバーヘアになったわたしは、59歳になった。50歳直前の49歳の時の気持ちと、60歳を前にした59歳の今は、次の年齢へ対する思いが少しちがう。
40代最後は、50歳という節目と人生後半へ向かう年齢になったことを意識していたけれど、60歳直前は「そう言えばもうすぐ──」という感じだ。60歳は、49、50歳当時感じていた「人生後半」にいい意味で慣れたのかもしれない。
慣れてくると余裕がでてくる。今まで気づかなかったことのなかに楽しみを見つけられるようになってくる。シルバーヘアもそれと似ている。
カラーをしていたころは、白い髪が伸びてくることに対し、ネガティブな気持ちを抱くことがあった。実際「カラーをしなければ」とよくなっていた。髪色を変える過程では「早くシルバーヘアにならないかな」と思いが先にあった。自分本来の髪色に戻った今は「これからこの髪でどうすごそう」と、思考が切り替わった。2年かけ、白い髪になっていく自分に慣れたのだ。
「シルバーヘア計画」は、次の段階の「シルバーヘアのわたしプロジェクト」に進んだ。計画は、未来までのイメージ。一方、プロジェクトは、今のイメージ。これからは「シルバーヘアをどんなふうに楽しもう」。そんなことを思っている。
サロンで髪を切った翌日、早速、はじめてナチュラルブロウリフト(薬剤を使用し眉の毛流れを整える方法)をした。なかなか、いいです。この2年、新しい服を買うのも控えていたので、シルバーヘアになったわたしに似合うものもショップに見に行った。メイク、体づくり、暮らし方。今までとはちがう新しい自分と出会えるかもしれない。
「とうとう」は、終了した「とうとう」でもあり、新たなスタートラインに立てた「とうとう」でもあるようだ。
シルバーヘア―になるまでの2年間を振り返った特別インタビューのYouTubeをお楽しみください!
一気読み!57歳からのシルバーヘア計画
2022年の7月から始まった広瀬裕子さんのシルバーヘア計画は、いったんここで終了します。シルバーヘアになった広瀬さんが、今後どんな楽しみを見つけるのか……。クウネル・サロンで随時ご紹介していきたいと思います。今後もお楽しみになさってください。
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この記事の
プレミアムメンバー
広瀬裕子
執筆のかたわら、50歳から空間設計の仕事をはじめ、現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。著書に『55歳 おとなのまん中』(PHP研究所)など多数。
Instagram:@yukohirose19