一から家を建てるのでなく、昔からある家に自分らしさを重ねながらの生活を楽しむクリス智子さん。吹き抜けの本棚や古民家カフェのような美しいキッチンなど、アイデアと工夫が詰まったお部屋をご紹介します。
クリス智子/くりすともこ
ハワイに生まれ、日本とアメリカの豊かな文化に触れて育つ。J-WAVEの番組「グッド ネイバーズ」でナビゲーターを務めるほか、アートへの造詣の深さを生かした活動なども多い。
時を刻んできた家に新しい物語を重ねる。
クリス智子さんがインテリアに興味をもったきっかけは、子どもの頃、胸ときめいた本にあります。俳優で作家のジュリー・アンドリュースが書いた名作『マンディ』です。
「秘密の空き家を見つけた女の子が、 自分好みの居場所を作る物語。私も一から家を作るというよりは、古い家に自分らしさを重ねていく方が好みです。 鎌倉に見つけた築年の一軒家は、ひと目でポテンシャルがあると気に入りました。」
玄関を新設し、階段は吹き抜けの空間へと大胆にリノベーション。オープンスペースにした1階奥には広々としたキッチンを設けて、料理しながら家族の顔が見えるようにリビングルームとひと続きにしました。
ターコイズブルーのタイルが鮮やかなキッチンは、銅製の鍋やクリームイエローの器をちりばめてアクセントに。仏具のエッセンスをモダンに昇華した真鍮製ペンダントライトは、デザイナー大治将典さんによる作品。
あれこれ考えをめぐらす喜び。 家作りは過程が楽しい。
キッチンと隣り合う自身の書斎はお気に入りの場所です。机は祖母のロールアップデスクに憧れて、東京で似たものを発見。コロナ禍ではJ-WAVEの基地局としてここからラジオの生放送も行ったそう。
「窓越しの梅の木は紅梅に違いないと、 壁紙は控えめな白黒のボタニカル柄にしたんです。でも咲いたのは白梅で想定外。ただ、窓辺にはリスも遊びに来るので、壁紙のリスとリンクしていいかなと結果オーライです」
家具は年輪を刻んだ味わい深いものが目立ちます。リビングには川の飛び石を模した脚に合わせ、青いラグを敷こうかなと思案中。 「理想のものに出合えなくても、間に合わせで妥協することはありません。 家を作る過程が好きなので、あれこれ考える時間も楽しいんです」
ここに暮らし5年半、クリス智子さんの家づくりの物語はこれからも続きます。
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