好きを貫く。全財産をかけて、50歳で第二の人生をスタートしたパリマダムの挑戦。

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人生100年時代と言われて久しい昨今。プライベートでは3度の離婚を経験、さらに、全私財を投じて新たにVRギャラリーを立ち上げた、あるパリマダムの挑戦をご紹介します。

世界で初めて、ゲームのようにCGでできた仮想空間に入ってアートを体感できる、ヴァーチャルリアリティ的なギャラリーを立ち上げたジェラルディン・ポステルさん。

「私の人生はつねにアートの世界と密接なんです。きっかけは19 歳でニューヨークに行き、四半世紀に一度発行される雑誌の仕事をして、アート界との交流を深めたことでした」
パリに戻ってからはアート雑誌をサポートしてもらうため、高級ブランド を訪ねる広告営業の仕事を始めました。結果、数々の広告タイアップのビジュアルを手がけ、さらに雑誌のコンサルタントやアートのキュレーションへと広がっていったそうです。

「私生活では21歳で最初の結婚をし、数年で離婚。その後、29 歳で再婚してふたりの息子を授かりました。そしてまた離婚し、43 歳で3度目の結婚をしたんです」
波乱万丈ながらも仕事も人生も謳歌していたジェラルディンさん。しかし 2016年、人生をリセットすべく、すべてを投げ出してしまったのです。「あまりの忙しさに、燃えつきたんでしょうね。何もかもリセットしたくなり、雑誌のコンサルもギャラリーの経営もすべて白紙に戻し、夫とも離婚して休養することにしたんです」
とはいえ、心の底からアートが好き。そして現実では、10 代のふたりの息子を育てるためにお金も必要と、雑誌の仕事を少しずつ再開していきました。

「そして 50 歳となる今年、全財産を投資してVRのギャラリーを立ち上げました。アート作品のVR化にはとてもお金がかかるんです。だから、このギ ャラリーを続けるためには、まだまだ他の仕事もしないと。カミソリの上で綱渡りをしているようなヒヤヒヤ感覚ですが、ポジティブな気持ちでいると、いい出会いに恵まれる気がします。新しい雑誌を立ち上げる仕事もスタートしました。怖いという気持ちは頭の中だけ。恐れは自分でコントロールできるから、あとは建築的に考え、前進あるのみだと思っています」

好きなことをやり続ける根気。さらにアートと繋げたプロジェクトに興味 を持ち、新しいテクノロジーも取り入 れる柔軟性を持つジェラルディンさん。 彼女の生き様を聞いていると、人生100年時代だとしみじみ感じます。

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持っているアートは100以上。自宅もギャラリーのひとつなので、顧客を招くことも多いそう。
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シャルロット・ペリアンのデスクにジオ・ポンティの椅子。壁にか けたライトもペリアンの作品。
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過ごす時間の長いキッチンスペースにも、アート作品を飾っている。
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