絵本作家・酒井駒子さんの原画を紹介する企画展示「みみをすますように 酒井駒子」展と、名作絵本『ぐりとぐら』の世界観を体感できる年間展示「ぐりとぐら しあわせの本」展が、4月10日(土)より立川のPLAY! MUSEUMでスタート。大人も楽しめる大注目の2展示、さっそく行ってきたのでその様子をレポートします!
◆「みみをすますように 酒井駒子」展
ミュージアム内に入ると、まずは絵本作家・酒井駒子さんの展示からスタート。『金曜日の砂糖ちゃん』や『よるくま』など、これまでに刊行された20冊以上の絵本の原画を中心にした、酒井さん初の個展になります。
子どもや動物、情景の繊細な描写と、絵と響き合う詩的な文章でたくさんの人を魅了してきた酒井さんの世界を堪能できます。
会場は、「ある日」「ひみつ」「こみち」「はらっぱ」など6つのエリアに分かれています。額やケースに収められた原画や文章の断片を、森の中を散歩しているかのように鑑賞できます。
空間デザインを手がけたのは、フランス出身で京都在住、建築家でありアーティストとしても活動する・2m26。主に杉材などの天然の素材を使って、酒井さんの絵と言葉をやさしく彩ります。
しゃがんだり、ちょっと背伸びしたり、ジグザグな道を進んだり、作品を座って鑑賞したり。身体を使って鑑賞していくうちに、まるで絵本の中に入っていくかのような展示方法が印象的でした。
そんな素敵な空間で、儚さの奥から力強さが滲み出る原画を見ることができて、とても豊かな時間でした。
◆「ぐりとぐら しあわせの本」展
酒井駒子展に続くのは、中川李枝子さんと山脇百合子さんによる名作絵本『ぐりとぐら』の展示へ。かわいい2人が出迎えてくれました。
小さな入り口の先には、何度もくり返し読んだ『ぐりとぐら』の素敵な世界が広がっていました。
「訪れた人たちみんなが、ぐりとぐらになれる空間」をコンセプトに、大人も子供も関係なく、たくさんの仕掛けを楽しむことができます。
こちらの空間デザインを手がけたのは、青木貴之さん。元・スタジオジブリで、ジブリにまつわるさまざまな展覧会を担当していた方です。遊びゴコロがちりばめられていて、眺めているだけでも幸せな気分になります。
大人というのを忘れて、夢中に。可愛く楽しい空間で、夢のような時間を過ごすことができました。
そして最後はお楽しみのミュージアムショップへ。両展示ともに、展覧会のオリジナルグッズがずらり。あれこれ目移りしてしまい、なかなか決められません!
中でも展覧会を見た方だけが購入できる、ぐりとぐらの食器がすでに話題のようでした。予約販売で、6月以降順次届けられるそうです。
また、隣接するカフェでは、展覧会にまつわるさまざまなメニューを楽しめます。『ぐりとぐら』のパンケーキや『よるくま』のカレーなど、ぜひ立ち寄ってくださいね。
魅力たっぷりの『PLAY! MUSEUM』いかがでしたか? ぜひ今度のお休みに出掛けてみてください。
企画展示「みみをすますように 酒井駒子」展
年間展示「ぐりとぐら しあわせの本」展
会期:「みみをすますように 酒井駒子」展〜7/4(日)まで
「ぐりとぐら しあわせの本」展〜2022年3月末まで予定
会場:PLAY! MUSEUM
住所:東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3
休館日:無休(展示の入れ替え、年末年始を除く)
開館時間:10:00〜18:00(平日は17:00まで/入場は閉館の30分前まで)
観覧料:一般 1,500円、大学生 600円、高校生500円、中・小学生300、未就学児無料
取材・文 阿部里歩