【50歳からのお金/後編】漫画家・ひうらさとるさん「お金と美容は不安と欲望の構図が似ている!」
「お金と美容」をテーマにした連載漫画を執筆中のひうらさとるさん。後編では、住宅ローンで苦い思いをした経験から学んだ、投資のポリシーやお金の使い方、本から得た金言、そして、漫画『美男と金子』を通して伝えたかったことを伺いました。
【50歳からのお金/前編】漫画家・ひうらさとるさんが体験を語る、無理なく貯めて楽しく使うマネー術からの続きです。
目 次
不動産投資は、後悔しないために自分が住みたい家だけ購入。
『美男と金子』では、安易に仮想通貨に飛びついて投資に失敗するエピソードも。
ローン完済後は不動産の運用やNISAをはじめとする投資も始め、今ではすっかりマネーリテラシ―の高いひうらさん。
「不動産投資は、まだ『ホタルノヒカリ』がドラマ化される前で、漫画で食べていけなかったら家賃収入で暮らしていけるかな、と思ったのがきっかけです。
そこから、買ったものでお金を生み出すという投資的な考え方ができるように」
不動産は投資用物件としてではなく、自分が本当に気に入った家を購入し、実際に住んでから賃貸にしていたといいます。
「そうすれば、もし資産価値が下がり、家賃収入が減ったとしても、自分が『心からいい』と思った家なら後悔しませんし、気持ちもゆったりと構えていられますから。今はもう売却しましたが、価値が下がらなかったので結果的によかったなと思っています」
お金のことを学んだひうらさんの愛読書。
投資は余剰資金で。「ほったらかし」が座右の銘。
あくせくせずに構える姿勢は、NISAや投資信託を行ううえでも心がけているそう。投資のバイブルとして経済評論家の山﨑 元さんが提唱する『ほったらかし投資術』を愛読しています。
「投資とは売り買いすることではなく、“持っていること”という考え方が紹介されていて、私はずっとそれを実践中です。私はシンプルなインデックス投資を続けているのですが、少しずつでも10年経てば倍くらいにはなるので、入れておくだけでいいと思っています。これもダイエットと同じで、“無理なくちょっとずつ”が成功の秘訣かもしれませんね。
あくまでも余剰資金で投資をして、下がったとしてもとにかく焦らない。日々の値動きに一喜一憂するのは、投資を本業とするトレーダーがやること。私は本業が別にありますし、お金には静かに働いてもらいたいと思っています」
今がお金を使うピーク! 使い上手を目指して。
今年60歳を迎えるというひうらさん。元気に動ける60代から70代半ばくらいがお金を使うピークと考えています。
「日本でも話題になった、実業家ビル・パーキンスの著書『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』にも書かれていますが、お金の価値は歳を重ねるほど低くなっていくのでは。今この歳で使うお金と、80歳になってから使うお金では意味が大きく変わってくると思うんです。将来の不安からお金を貯め込むことばかり考えてしまいますが、今から少しずつお金を使う練習を始めるといいかもしれません」
さらにこの本には『人生で一番大切なのは、思い出をつくることだ』と書かれていて、それにも深く共感。
「本当にそうだと思います。自分が本当に好きなもの、心からいいと思うものに気持ちよくお金を使う。自分にとって心地よく使える感覚を磨いて、人生をもっと楽しみたいですよね」
ひうらさんおすすめ「お金を学べる3冊」
美容もお金も人生を楽しむためにある!
おしゃれにも美容にも興味がなく、ひとり慎ましく生きるお金のプロ・金子と、お金に無頓着な美容のプロ・美男。正反対の2人が悩める人たちのために、お金と美容の不安を解消するべくタッグを組む。
連載中の漫画『美男と金子』は、40歳バツイチの堅実派税理士・金子かさねと、人気美容系インフルエンサー・美男(びなん)の、美容とお金をめぐる人間関係や恋、人生が描かれています。ひうらさんが伝えたいメッセージとは?
「美容もお金も、みんな関心が高いけれど、いまいち方法がわからない。
きれいになったら、お金持ちになったら幸せだろう、と思っていても、それを大っぴらに求めることにためらう気持ちもあり、欲望の構図がとても似ていると思ったんです。
しかも、今やらないと手遅れになるかも、という恐怖心を煽るような構造も似ています。なので、この作品では決して何かを押し付けることのないように気をつけています。今ちょうどNISAの話を描いているのですが、方法やヒントは伝えても、やらなくちゃいけないというプレッシャーにはならないように、と」
どちらも人生を楽しくするものという前提を忘れずにいたいと続けます。
「お金がたくさんあれば不安がなくなるわけでなく、あくまでも自由な選択肢を増やすためのもの。美容もそう。どちらも手に入れたら、イコール幸せになれるわけではありません。お金をどう使うかは、どう生きたいかと同じ。
漫画を通じて、幸せとは?と楽しく考えてもらうきっかけになったら、うれしいです」
PROFILE
ひうらさとる
漫画家 60歳
代表作の『ホタルのヒカリ』『西園寺さんは家事をしない』『聖ラブサバイバーズ』がドラマ化。『58歳、旅の湯かげん いいかげん』などエッセイの執筆を手がけるほか、YouTubeチャンネル『ひうらさとるの漫画と温泉』も配信。現在、漫画雑誌『フィール・ヤング』(祥伝社)で『美男と金子』を連載中。コラムニスト・芳麗さんと美容、健康、カルチャーから、世相、恋愛、人間関係、推し活までを語り尽くす『ひうら芳麗の楽女なニュース』もPodcastで毎週水曜に配信中。番組から派生した、大人のためのウェルエイジング文化祭「楽女FES’26」が9月25日(金)〜27日(日)開催。
取材・文/薄葉亜希子