益田ミリさん描きおろしの新刊『サトウさんの友達』試し読み&著者メッセージ/後編。「あつ森」の世界がくれたもの

益田ミリの漫画サトウさんの友達

大人女性にファン多数の益田ミリさんの最新作『サトウさんの友達』が5月22日にマガジンハウスより発売になりました。

なんだか「人間関係」が難しい、そんなことを感じている40歳過ぎの女性・サトウさんが、Nintendo Switch ⽤ソフト「あつまれ どうぶつの森」に出会って、新しい人間関係をクリエイトしていくお話が、やさしいトーンで描かれていきます。

その中からほんの一部を試し読み。前編/空気を読まない人間関係が心地いい に続き、後編では、益田ミリさんのスペシャルメッセージをご紹介します。

益田ミリさんへ「あつ森」について5つの質問!

益田ミリ 著サトウさんの友達の書影

目標は「あつ森」の空気を読みすぎない”新しい人間関係”?!40代女性ふたりのさっぱりとした友達関係について綴った『サトウさんの友達』(マガジンハウス)。2025年5月22日発売。

空気を読み過ぎない「あつ森」的人間関係に共感し、「あつ森」を通じて知り合った友達と心地よい関係を構築していくサトウさん。「誘いたい時は遠慮なく誘って、用事があればお互い、カラッと断るそういう友達」です。

益田ミリの漫画サトウさんの友達

益田ミリさんが感じた「あつ森」の魅力

著者の益田ミリさんご自身が「あつ森」の世界を楽しんだことをきっかけに、生まれた『サトウさんの友達』「大人こそハマるゲームソフト」として知られる「あつ森」ですが、益田さん自身はどんなふうに楽しんでいらっしゃるのでしょう?

5つの質問をしてみました。

Q1.バトルやゴールの無い「あつ森」。益田さんの楽しみ方はどんなですか?

コロナ禍、初めて「あつ森」と出会ったのでまだまだ初心者なのですが、始めた当初は自分の島をデザインするため、日夜、魚を釣ったり、虫を取ったりして一生懸命、働いて(笑)アイテムを揃えていきました。

今は自分好みの島になったので、月に1〜2ほど来島し、雑草の手入れをしています。

「あつ森」は、楽しみ方がそれぞれなのがいいなぁと思うんです。わたしは「かぶ」や自分の家の内装には興味がなくて、とにかく島をデザインすることが楽しくて。子供時代に好きだった「塗り絵」のような感覚なのかもしれません。

他の誰かの島に行ったことはなく、自分の島だけで完結する遊び方をしています。

Q2.作中のように「あつ森」ライフが、現実世界にが何か影響したりしましたか?

沖縄に旅をした時、「あっ、オオゴマダラ!」と思わず。
現実世界で見ても、大きくて優雅な蝶々でした。オオゴマダラは沖縄の県蝶なんですね。

「あつ森」で虫や魚の名前が自然に頭に入り、四季の移ろいまで感じられるのはすごいことだなと思います。スーパーの鮮魚売り場で「スズキ」を見て、親しみを感じたり。「あつ森」よく釣れるから(笑)

そして、何より影響を受けたことと言えば、「サトウさんの友達」という漫画を描きたいと思ったことです。

「夜の海岸を
ひとり走る
誰もいない浜辺
月明かりと、砂を踏む自分の足音
「あつ森」の夜はいつだってやさしかった」

漫画に出てくるセリフです。
夜の海辺を一人で散歩するのは、現実世界では難しいですが、
「あつ森」で体感することができました。
漫画の主人公は、「あつ森」を通して、自分という人間の存在の重さを実感していきます。

益田ミリの描いたスウィッチ

Q3.益田さんの「あつ森」の島は、どんなふうにしたいですか?

今の時点では自分的100点の島になりました!
住民それぞれに小さな庭があり、その庭には友達とお茶ができるようなスペースがあって。
春になると桜並木になるような小径も作りました。今年も満開でした。

Q4.島で一番楽しかった思い出はなんですか?

「あつ森」には四季があり、花火大会やハロウィンなどいろんなイベントがあることを知って、ワクワクしました。

設定しておいた自分のアバターの誕生日に、島の動物たちがお祝いに来てくれたのは一番楽しい出来事でした。

Q5.大人におすすめするポイントは?

外出中、ちょっとした嫌なコトがあった時、わたしはそーっと自分の「あつ森」の、のんびりとした世界を思い出してみることがあるんです。花咲く遊歩道や、小川にかかる木の橋。動物たちが釣りをしたり、木陰で休んでいたり。ちょっと気持ちをそらせるのに役立つかもしれません。

好評発売中!

益田ミリ 著サトウさんの友達の書影

サトウさんの友達

主⼈公は、40 過ぎたばかりの⼥性。気づけば友達が減りつつある年頃。職場では居⼼地の悪さを感じなくもない。⼆⼈暮らしの⺟の健康状態にも不安を覚える⽇々です。
そんなある⽇、主⼈公はNintendo Switch ⽤ソフト「あつまれ どうぶつの森」に出会います。もうひとつの世界が、彼⼥の現実を少しずつ変えていく様⼦を、丁寧な筆致で描き出します。空気を読みすぎない“新しい⼈間関係”とは?

A5 並製・160 ⾴
定価:1540 円(税込)

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PROFILE

益田ミリ/ますだみり

1969 年⼤阪府⽣まれ。イラストレーター。主な著書に漫画『ミウラさんの友達』『僕の姉ちゃん』(⼩社)、『すーちゃん』(幻冬舎)、『今⽇の⼈⽣』(ミシマ社)、『ヒトミさんの恋』(⽂藝春秋)、『ランチの時間』(講談社)、『泣き⾍チエ⼦さん』(集英社)、『こはる⽇記』(KADOKAWA)等。エッセイに『永遠のおでかけ』(毎⽇新聞出版)、『⼩さいコトが気になります』(筑摩書房)、『⼩さいわたし』(ポプラ社)他、多数。『ツユクサナツコの⼀⽣』(新潮社)で⼿塚治⾍⽂化賞短編賞を受賞。

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