銅版画家・山本容子さんの「今の自分に足りないものを気づかせてくれた言葉」。
読んだり、聞いたときに、何かの気づきがあり、視点を変えてみるきっかけになった言葉。そして、その後の生き方の指針となった言葉。それぞれの人の人生に伴走する、大切にしている言葉を聞きました。
いくつになっても心高なる気持ちを持っているのは素敵なこと
『愛人 ラマン』の冒頭で、ある男が高齢のデュラスに言った言葉ですが、すごく思索的。昔読んだ時はピンとこなかったけれど、今の私はとてもいい言葉だと実感しました。
この言葉と共に、年配のマダムから聞いた話を思い出しました。70代のパリの友人に会ったら頬が紅潮してきれいなので、それを本人に伝えたら、「It’s a Romance」と恥じらいながら言ったそう。
当時の私はまだ若く恋愛もしていたから共感できなかったけれど、そういう気持ちを誰かに持っているのは素敵なことだなと今は思います。デュラスがこの言葉をかけられたときの「心が高なる感じ」とも繋がりますよね。
この言葉を思い出して気づきましたが、今の自分に足りないのはそういう気持ち=「Romance」です。
PROFILE
山本容子/やまもと・ようこ
銅版画家 74歳
軽妙洒脱な銅版画作品のほか、書籍の装幀や挿画、パブリックスペースや病院での作品制作も。京都の中信美術館(chushin.co.jp/bijyutu)にて「山本容子版画展 物語をつつむ」(~6月26日まで)開催中。
『クウネル』2026年7月号掲載
写真/目黒智子、ヘア/杢 雅樹 fiorista、取材・文/黒澤弥生
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『クウネル』NO.139掲載
これからを生きるための「言葉の力」。
- 発売日 : 2026年5月20日
- 価格 : 1,080円 (税込)