スタイリストが山で叶えた理想の棲家。やわらかな光が満ちる、三角屋根のデザインハウス。
山や空を近くに感じながら、自分らしくのびのびと。都会を離れ、山の中で理想の暮らしをスタートした、2つの家族のストーリー。スタイリスト・堀江直子さんのご自宅を訪ねます。
美しい白樺林に囲まれた、自然との一体感を楽しむ平家。
取材に訪れた2月上旬、八ヶ岳に向かって車を走らせていくと、途中から目に見えて積雪量が変わります。雪景色の中突如姿を現した三角屋根の家と白樺林はまるで絵本の世界のよう。
取材に訪れた2月は一面雪景色。静かな山の風景に溶け込みつつ、モダンな存在感を放つデザインは、イギリスの建築家によるもの。ヘーゼルナッツの手作りフェンスも素敵。
この家に暮らすのは、スタイリストの堀江直子さんと夫、13歳の息子とオーストラリアンラブラドゥードゥルのメルシー。「ターシャ・テューダーが好きで、彼女のように山の中でお花に囲まれて暮らしてみたいと思っていたんです」。そう話す堀江さんが山の家作りに着手したのは約10年前。八ヶ岳の麓、標高1230mの場所に約1500坪の土地を見つけ、都内から移住を決意します。
「八ヶ岳は縁もゆかりもない地でしたが、木々の色のかわいらしさ、空気の綺麗さ、星の美しさなど、最高の自然環境に恋してしまったんです。息子ものびのび過ごせて、憧れの庭づくりも自由にできる。まさに理想の環境だと、即決しました。私はイギリスの庭や自然が好きなのですが、ここはどこか似ている気がします」
住みたい家のイメージを夫婦で模索するなかで出合ったのが、イギリスのガーデナーハウス。その家を手がけたイギリス人建築家に設計を依頼し、長い時間をかけて理想の家を作り上げました。できるだけ仕切りを作らず段差や角度でゾーニングした平家は、開放的かつ独創的で、まるでギャラリーのよう。
生活感のなさはどう維持しているんですか?とたずねると「実は収納に色々隠してるんですよ」と笑う堀江さん。部屋の区切りを利用して、各所に収納がしっかりと確保されているのも、洗練された設計の妙。
ホールから見たダイニング。一部の木床をのぞき床はモールテックスで統一。ほとんどの部屋に仕切りを設けず、奥行きのある空間に。
「この家に住んで3年になりますが、どこにいても、どの季節でも、目に入る光がやさしいんです。漆喰の白壁、ピンクベージュの床が、光の反射をやわらかく受けとめてくれるのでしょうか。居心地がよくて、家で過ごす時間が自然と長くなりました」。
雪に閉ざされた冬も、木々が芽吹き出す新緑の季節も、窓の外の景色を見飽きることはないといいます。
「不便なこともありますが、少し車を走らせれば新鮮な野菜や花が手に入るし、山や木々を眺める道のりも楽しい。もう都会には戻れないかもしれません」
窓の外には白樺林。四方に窓を設け大自然との一体感が味わえるリビング&ダイニングルーム。徹底した断熱対策と暖炉のおかげで家の中は冬でもぽかぽか。デイベッドで愛犬とのんびり過ごすのが至福の時間。
堀江直子さん宅の間取り図。
1、2階で約185平米。築100年以上。庭は約200平米。1階はゲオルグさんのアトリエで2階は家族の居住空間。高低のある地形に建ち、玄関は2階にある。
PROFILE
堀江直子/ほりえ・なおこ
スタイリスト
オンラインコミュニティ「Charming club」を主宰。オンラインショップ「PEONIES and CORNFLOWERS」も運営する。Instagram:@my.charming.little.planet
『クウネル』2026年5月号掲載
写真/柳原久子、イラスト/丹下京子、取材・文/吾妻枝里子
SHARE
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