【フランス人の生き方】シンプルで長く使える“ヴィンテージ”に囲まれた暮らし

ていねいにメンテナンスしながら着る服やアクセサリー、器や道具など……、古いものにこそ価値を見出すのがフランス人の豊かさ。小誌リニューアル創刊号の表示を飾ったオンラインショップオーナーが愛用するヴィンテージとは?

PROFILE

アンヌ・グラン・クレモン/Anne Grand-CLÉMENT

オンラインショップオーナー
デザイナーとして活躍後、オンラインサイトを立ち上げた。自分が使ってよいと思ったものをベースにオリジナルを制作。https://annegrandclement.com

シンプルで上質こそが 、長く使えるものになる

小誌リニューアル創刊号の記念すべき表紙を飾ってくれたアンヌ・グラン・クレモンさんが、7年ぶりに誌面に再登場。

「日常の中で好きなものを使うときに感じる“喜び”。使うたびに気持ちが昂る感覚を、ずっと感じながら暮らしていけたらどんなに幸せでしょう」

イタリア・プーリア地方の農家で食物の保存に使っていた容器。20年前から見つけたら購入して、調理用具を入れたり、花器として使用。

アンヌさんの父親が使っていたWalter Bosseがデザインしたハリネズミの灰皿。生まれる前から家にあったもので、見るたびに父親のことを思い出す大切な品。デザイナーの作品ということは後から知ったそう。

ステムが空洞になっているのが珍しい、クリスタルの吹きグラス。蚤の市で見かけるたびに購入し、友人を招いたディナーなどで使っているとか。同じものを作りたいと思ったが、メーカーが倒産してしまったそう。

80年代にマレ地区で購入したMiller et Bertauxの燭台。「買ったときはこんなに長く使うとは思わなかったんだけど、引越しのたびに持ってきてしまうんです。シンプルに勝るものなしの代表的なデザイン。

アンヌ・グラン・クレモンさん愛用のヴィンテージチェア。

アンヌさんが長年使い続けてきたもの、見つけたヴィンテージなど、暮らしを彩り、長年のお付き合いとなった品々を披露してくれました。

「買い物するときは“もの”の方から呼ばれている気がします。デザインがシンプルで、クオリティの高いものを選ぶと、結果として長く使えます。だからそういう部分を見ながら購入します。余分なディテールが少ない方が、結果として飽きが来ないと長年の経験でわかりました」

50年代のアンティークのカップとその復刻品。ワイン用のアンティークカップは、クリームやヨーグルトを入れたり、ハーブティーを飲むときに。復刻版はアンヌさんのサイトでも販売。

南仏で見つけた丈夫で壊れない洗濯バサミ。「壊れやすいものばかりで、つねづね長く使えるものはと探していたんです」。洗濯だけでなく、紙をクリップしたりと用途はいろいろ。

アフリカの座椅子(どこの国か失念とか)。座って心地よいだけでなく、ナイトテーブル、花瓶を置く台など、オールマイティに使えるお気に入り。絨毯はモロッコで購入したもの。

好きなものは人にも伝えたい、使ってほしいという気持ちが高まり、ついにオンラインショップ(https://annegrandclement.com)を開設。

「自分が長く使っているものをベースにオリジナル商品を作ったりして販売しています。私たちぐらいの年齢になると、好きなもの、心地いいものがはっきりわかるから、できる限りそういったものに囲まれて暮らしたい。結果、捨てずに長く使うことになっていくのでしょうね」

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