〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーの松永加奈さんの大人の遠足レポート。涼しく(東京より)、海が楽しめ、魚もおいしいと、満足度大。東京から夏のショートトリップにぴったりなようです。
週末を利用して、千葉の勝浦へ行ってきました。勝浦までは東京駅から特急列車で約1時間半、ショートトリップにぴったりの距離感です。
旅先を決めた頃、各地は記録的な猛暑(と毎年言われている気がしますが)。「あついーあつすぎるー」とふらふらしながら、当然、勝浦も…とお天気アプリを見ると、東京より気温が低く、連日チェックしてもずっと30度以下(東京が40度くらいあったときでも)。その後、「勝浦は100年猛暑日なし」というニュースを目にしてびっくり。海水温と地形の関係で、沖合から涼しい風が吹いて気温が低くなるのだそうです。千葉の海沿いに避暑地があるとは知らなかったー。
アジフライに舌鼓!
正午過ぎに勝浦駅に到着し、まずはお昼ご飯。今回の旅の目的は「お魚を食べること」。そこで、鮮魚店がやっているお食事処『おぎの』さんへ。地物の金目鯛の煮つけやアジフライ、漬けがたっぷりと盛られたまかない丼をいただきました。鮮度のいいお魚を口に運びにんまりしながら、気になったのはメニューに書かれた「灰干し」という言葉。食後にお隣の鮮魚店で訊ねると、「灰干し」とは火山灰の中で長時間かけて水分を抜き、濃厚な旨味が味わえる干物を作る製法なのだそう。こちらでは灰干しの鯖を仕入れていると聞き、 翌日帰る前にまた伺うことにしました。
避暑地の涼風に癒やされて
夜はお寿司と名物なめろうを
街の中をぶらぶら歩き、高台にある宿泊先へ向かう道すがら、あちこちから涼しい風が吹いてくるのを感じて「これが避暑地をいわれる所以か」と納得。湿度はありますが、ふっと通り抜けていく天然の涼風は、都心では味わえない贅沢です。実際、宿泊するレジデンスのベランダに出ると「わー、涼しい!」。今朝までの猛暑はどこへやら、冷房をつけることなく窓を開け放ち、のんびりとお昼寝。うーん、ありがたい…。
鳥の声を聞き、海を眺めて過ごしながら、さて夕飯はどうしようかな(注:今回は食が目的)。せっかく勝浦に来たので、やはりお寿司を食べねば、いや食べたい絶対。というわけで、『鮨 成田家』でお寿司を。勝浦名産「なめろう」やサザエの味噌漬け、自家製のイカの塩辛をお供に地酒をいただく、まさに至福です。お店の大将から、勝浦のトピックや漁業事情、市場の様子などいろいろなお話を伺って、おいしいお寿司とともに楽しい時間を過ごしました。
地元の方との交流も楽しい朝市
翌日は、400年以上続くという朝市へ。地元で獲れた魚や野菜のほか、雑貨、コーヒー、パンなども並びます。私のような観光客の姿もありますが、おなじみさんがいっぱい。その様子に、長い間、朝市が地域の人々の台所になっていることが分かります。「これ形が悪いけど味はいいのよ、50円にするからどう?」「えー、じゃあいただいちゃおうかなー」なんて、お店の方とのやりとりも朝市ならでは。地域密着で日常に溶け込んでいる朝市は、食材から風土や文化が見える楽しさもあるなと思います。
青い海とB級グルメもチェック
勝浦では「勝浦タンタンメン」をB級グルメとして売り出し今年で10周年…ということを着いてから知ったのですが、何となく食べる機会を逃したまま。そこで、アンテナショップで見つけた「マリンバーガー(シイラのフライバーガー)」のタンタンメンソースを食べてちょっと気分を味わいました(次回はぜひ本品を食べねば)。涼しいとはいえ陽射しは強く、かき氷を食べて熱を冷まし「そういえば海に近づいていない」と海岸へ。釣りや海水浴目的に訪れる人が多い中、どちらもやらない我が家は、青い海と砂浜と人々の歓声にさらっと触れるだけ。でも、こちらも夏っぽい気分は味わいました。
おみやげは絶品の灰干し鯖
帰る前のお昼は、前日と同じく『おぎの』。お刺身定食をいただいてから、鮮魚店で件の「灰干し鯖」を購入しました。車で大量に買いに来るお客さんもいるそうで、たっぷりの大根おろしを合わせるのが断然おすすめだとか。氷と灰干し鯖が入った発泡スチロールの箱を抱えて東京へ戻り、グリルしていただいた初めての「灰干し」。脂とうま味がたっぷりで、ぎゅうっと凝縮されたそのおいしさに驚きもお箸も止まらない! 極上の味わいに、〆まで魚を堪能した旅になりました。