どこかかわいらしい雰囲気のある「HAU」デザイナー・藁谷真生さんの住まい。少しずつ 手を加えながら、家族が心地よく過ごせる空間を目指しています。リビングは窓も多く採光もたっぷり。長年憧れていたという丸いテーブルは最近、導入したもの。「CLASKA」の移転に伴い譲り受けたものだそう。
藁谷真生/わらがいまお
大手アパレルのデザイナーを経て独立。現在はライフスタイルショップ 「CLASKA」のアパレルブランド 「HAU」(ハウ)のデザイナーとして活躍する。娘ふたりと夫の4人暮らし。https://www.claskashop.com
暮らしにそっと寄り添うような日常着を提案するアパレルブランド「HAU」。デザイナーの藁谷真生さんの住まいは3LDKのマンションの一室です。絨毯張りの床に北欧家具やアンティークの雑貨を上手に組み合わせた部屋は、温かみがあり、つい長居したくなる心地よい空気感に溢れています。
家族とのお家づくりは良い経験でした
「ここに越してきて5年ほどになります。その前は都内のマンションで暮らしていたのですが、次女が生まれて手狭になったことや長女の学校のこともあり、もっと自然の多い場所で暮らせたらと思って家探しを始めました」
当初は一軒家を希望していたという藁谷さん。なかなか希望の物件と出合えないなかで見つけたのがいまの住まいだったそう。 「建物の構造上エレベーターがないのですが、30m²を超えるバルコニーとそこからの景色が素晴らしくて。集合住宅だけれど、それを感じさせない造りもいいねと夫と話し、即決しました」
大がかりなリフォームはせず、必要最低限のリノベーションに。リビング の収納やソファは造り付けにし、セルフビルドで壁を塗るなど自分たちで家づくりに関われたのもよい経験だったと振り返ります。
「叔母が住居に関わる仕事をしていたこともあり、住まいや暮らしに自然と興味を持つようになった気がします。 実家は道路拡張の関係で何度か建て直しているんですが、そのどれも叔母が設計に携わっていて。以前の家は青い壁があったりガラス扉だったり、子ども心ながらにちょっとおしゃれだなと感じるような面白い家でしたね」
壁や床の素材や色によって、また、 家具や雑貨によっても雰囲気ががらり と変わるのもインテリアの楽しみだと藁谷さん。手を加えていく過程も面白いと話します。現在は、子ども部屋を改造したり、バルコニーとは別の中庭を手入れしたり、仕事や家事の合間に少しずつ手を動かしているそう。
家族の成長に合わせて変化していく住まいの遍歴はこれからも続いていきます。
『ku:nel』2021年11月号掲載
写真/鈴木静華、取材・文/結城 歩
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