【Parisインテリア探訪.1】心豊かに第二の人生、「DORETTE」デザイナー・カトリーヌさんの新しい生活。

カトリーヌ・レヴィ

年齢とともに人の価値観は変わります。また家族構成が変わり、暮らし方に変化が訪れる場合も。さまざまな理由で新しい生活を始めた4人の女性は、とても豊かで、おしゃれで、そしてハッピー。そんな新しい生活のシーンを素敵なインテリアの秘訣とともに、うかがいました。最初は「DORETTE」デザイナーのカトリーヌ・レヴィさんがお届けします。

パリ10区には、ターミナル駅である北駅、東駅があり、その周辺はインド系、アフリカ系の住民が暮らし、エスニックな店も多いミックスカルチャーな地域です。「この雰囲気が好きで、10区に引っ越しました。年齢的にもナイトクラブではなく、自然に囲まれて暮らしたいと思うようになり、ずっとテラスの広い物件を探していたんです」。そのテラスで愛猫のラジャを遊ばせながら話すのは、ツェツェ&アソシエのデザイナーとして日本でもおなじみのカトリーヌ・レヴィさん。

このアパルトマンは1976年に建てられたもの。もともと老人ホームのような高齢者向けのサービスアパートメントでした。パリにおいては新しい建物なので8階まであり、カトリーヌさんの家は8階と階下にまたがるデュプレックスタイプ。

中庭のような広いテラス、
カラフル×アンティークの新しい家。

リビングとダイニングスペースを作れるほど広いテラスなのは、最上階のアパルトマンならでは。広いテラスに限定して、物件探しを。

愛猫ラジャと。カトリーヌさんが作る、カラフルなのに上品なジュエリーは、インスタグラムdorette.jewelsにたくさん掲載。

ラジャがテラスと部屋を自由に行き来できるように作った、丸くガラスをくりぬいた猫の通路。猫好きのカトリーヌさんらしい配慮。

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4年前に大掛かりな改装工事を始め、今の形になったのは2年前。「水周りも含めて、部屋のレイアウトなども変えたので、かなりの大工事になりました」。パリのロックダウン中は、緑があふれるテラスのおかげで、外出できずとも、ストレスのない生活でした。「7年前からジュエリーのデザインを始め、インドに行ったり、忙しく働いていたんですが、仕事が全部休みになりました。でもテラスで植物を眺めたり、リラックスしていたので、むしろリフレッシュするいいタイミングになったと思います」

カトリーヌ・レヴィ インテリア 椅子
カラフルなダイニングの椅子とステンドグラス、窓際のベンチの引き出しなど、キッチュな要素を加え、まとめる技はお見事。

今はマルシェで見つけた花をアレンジして飾ったり。キッチンに飾ったツェツェの代表作〝4月の花器〟にも、オレンジ色のほおずきを始め、ピンク4や赤と、見ているだけで元気が出る色の花々が並んでいます。

「家具はほとんど前の家から持ってきたもの。この家で新しく設えたのは、部屋のサイズに合わせて作った収納や棚、キッチンのステンドグラスです」。カラフルなステンドグラスは、店じまいするというガラス屋さんでレトロなモチーフ入りのガラスを見つけ、買い取ったものとか。天井のカーブに合わせ、取り付けてもらいました。

生活の至るところに、こだわりを。

窓枠に置いた木のオブジェはインドで購入したもの。木の椅子はどちらもアンティーク。前の家から持ってきたお気に入りの品。

アンティークショップで買った肘掛け椅子やチェスターフィールドのソファ。奥のライトは、インドのお祭りのオブジェをリメイク。

前の家から持ってきた棚を上手に設置。後ろのタイルはインドから持ち帰ったもの。奥の壁のドット柄はPetit Panで見つけた。

白いベッドルームにカラフルなベッドカバー。斜めの壁を利用して収納棚を設置。室内の小物にはインドや中国で見つけたものを使って。

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「もうひとつ天井の形に合わせて作った本棚は、WEBER METAUXというメタル屋さんに発注して作ったもの」ツェツェのカラフルな椅子“CHAISE TIMIDE”はすべて色や形が違う人気シリーズ。合わせたダイニングテーブルは生地を測って販売するための大きな机。アンティークの家具の中にカラフルな色を点在させた部屋は、まさにカトリーヌワールド。「今は新しいものを買うというより、ちょっとしたランプなら自分で作っています。壊れたオブジェの修理も自分でしました。大きなアトリエはマレ地区にあるのですが、部屋の片隅にも作業できるスペースを作り、そういう時間も楽しんでいます」

カトリーヌ・レヴィ
ハニカム模様のタイルに空が美しく見える斜め窓。小さな手鏡をぶら下げ、壁には小さなメディスンボックス。すべてがキュート。

この日のインタビューは、パリの街が一望できる気持ちのいいテラスで。「自然を感じられるこのテラスがあって、本当に幸せ。もともとここにあった植物に加え、自分が植えたりしたものもあるけれど、ほぼ手を加えず、野生の植物のように自由に育てています。これからの暮らしに合わせ、季節を感じる花々を植え、家時間を充実させたい。もちろん、旅に出たり、仕事もしてと、メリハリも欲しいですけどね」

『ku:nel』2021年1月号掲載

写真 篠あゆみ/コーディネート 石坂紀子/ 編集・文 今井恵


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