クウネルライター保護老猫を飼うvol.1~キジトラの子猫をもらうはずが11歳のハチワレがやってきた~

保護猫のちびた

2021年初冬、保護猫を家族に迎えました。猫も犬も鳥も、これまで一度も動物を飼ったことがない我が家にいきなりやって来たのは、11歳(推定)のおじいちゃん猫……。じつにスローで平穏、たまにトホホな老猫との暮らしにある悲喜こもごもを、今日からゆる~くお届けしていきます。


■ペットショップではなく「保護猫」という選択肢も知ってほしい


飼育のきっかけのひとつになったのは、今からちょうど二年前、『クウネル』2020年1月号の第二特集として取り上げた『犬と猫は大人の女性のパートナー』。その企画のひとつで、当時開店したばかりだった東京・駒澤公園近くの保護猫カフェ『駒猫』の存在を知り、以降、スタッフの方に顔を覚えていただけるほどに、プライベートで足を運んできました。

保護猫・犬の存在はもちろん以前から知っていましたが、実際足を運んでみると、猫のかわいらしさとともに、社会問題になって久しいその実情に胸が痛みました。

そして今年、我が家に小さな転機が訪れます。娘の進学に伴って転居した東京郊外のマンションでは、ペットの飼育が認められていたのです。ようやくときが来たり!と喜び勇み、引き続き『駒猫』にもお邪魔しながら、Instagramでは「#保護猫」や「#里親募集」のパトロールを本格的に開始。

そんな活動を続けていたある日、東京・自由が丘に支部を置く『みなしご救援隊 犬猫譲渡センター』で、生まれたばかりのキジトラが、複数匹保護されたというポストが目に留まりました。さっそく週末娘を帯同して見学に出向くと、いましたいました、かわいい兄弟たちが。

みなしご救援隊 犬猫譲渡センター
ケージの中で団子になって眠るキジトラの子猫ちゃん。
みなしご救援隊 犬猫譲渡センター
子猫の俊敏な動きにシャッタースピードが追いつかない。エネルギーがすごい。
みなしご救援隊 犬猫譲渡センター
センターでは、保護犬も多く保護。特に、大型犬や高齢猫はなかなか里親さんが見つからず、施設で生涯を終えることも多いそう。
クウネル2020年1月号第二特集
本誌2020年1月号では、家族として犬や猫と幸せに暮らす女性たちや、保護犬や保護猫をサポートできるスポットを紹介。
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■ぜんぜんチビじゃない「ちびた」がそこにいた


子猫は、まるでぬいぐるみのような愛らしさ。在店中も問い合わせの電話が鳴りやまず、「キジトラちゃんですか?ええと、あともう残り2匹ですね」と、スタッフの方が対応に追われています。そうか、みんなやっぱり子猫が良いんだね。

売り切れ寸前、大人気の子猫ちゃんたちを前に、「私も!私も!」と、はやる気持ちになる一方で、「貰い手があるなら、別にうちじゃなくてもいいのかもしれない……」と、思ったり、思わなかったり。どうする、私。

そのとき、そんな複雑な胸中を見抜くようにして、隣のケージからこちらをじっと見める大きな猫と目が合いました。「ちびた」と名付けられたその子は、思わず名札を二度見するほど肉付きがよく、いぶし銀の貫禄がありました。がしゃんがしゃん体当たりして、派手な音を響かせるキジトラゲージの横で、その猫はただすんと立ち、メロン色の瞳でこちらを見ています。

聞けば、高齢の前飼い主さんが介護施設に入居することになり、身寄りがなくなって保護されたとのこと。御年11歳(推定)、人間でいえば還暦を過ぎたバリバリのシニア世代。とにかく、隣のキジトラとのコントラストがすごい……。

保護猫 ちびた
鳴くことも暴れることもなく、ただじっとケージの中で「誰か」を待っていたちびた。重役のような落ち着きっぷりと、黒い鼻がチャームポイント。

縁とは不思議なものですね。なぜかその瞬間に「あぁ、この子だ」と、直感で思ったのです。こちらが選んだように見えて、実はこのとき、私たちはちびたに選ばれたのかもしれません。

その場で、子猫ちゃんからまさかのシフトチェンジ。センターのスタッフさんからも「環境の変化に強く、犬のように甘えん坊なので、初心者には飼いやすいタイプですね」とお墨付きをいただき、私はちびたの里親として名乗りを挙げました。その場でアポを取り、翌週末に模擬(トライアル)飼育を行うための面接をしてもらうこととなりました。

面接では、家族構成や年齢、アレルギーの有無、全員のライフスタイル、これまでのペット飼育歴など、基本情報のヒアリングから。続いて、猫の飼育、とりわけシニア猫所以のメリット・デメリットの説明がなされ、本当にその覚悟があるのか、意思確認がありました。

穏やかで人馴れしている一方で、人間同様、老化に伴って今後体調を崩す可能性が高いことや、安価ではない医療費のこと。そして日本猫の場合、室内で飼育すれば長くてあと十年程度生きる可能性があるが、最期まで家族として共に過ごしていけるかどうか―――。

改めて問われると、「超初心者の私で、本当に大丈夫なんだろうか」と、不安に包まれたのも事実ですが、すでにキャリーケースに入り、出発の準備を整えて待つちびたは、相変わらず大きな瞳で静かに私を見つめているのでした。


■熱烈歓迎! 我が家へ動物がやってきた


かくして、お試し飼育が無事スタートした御老公のちびた。
新しい環境でエサは食べてくれるだろうか?トイレは覚えてくれるだろうか?派手ないたずらをしたりしないだろうか?

そんな心配事はいずれも杞憂に終わり、初日はひと通り部屋を歩き回った後、あれこれ用意しておいたキャットフードをぺろりと完食、特に教えていないのにきちんと所定の場所で用を足し、それが終わるとリビングの中央にいきなり寝そべり、ふがふが言いながら撫でてもらうのを待つという、驚異の順応性を見せていました。

保護猫とクリスマスツリー
トライアル3日目にして「この家で十年暮らしてきました」的オーラを放つ。
保護猫
近づけば、撫でたまえ~撫でたまえ~と強めに主張。
猫の肉球
肉球はピンクと黒のミックス。これまで大切に室内飼いされてきたようで、触り心地はふにゃふにゃ。
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ともに暮らし始めると、ちびたのことが少しずつわかってきました。
食欲旺盛で、温厚で、甘えん坊。家族(娘・7歳)のちょっかいにも寛容に耐え、夜は決まって私か夫と同じ布団に入り、ごろごろ喉を鳴らします。それと、センターにいるときには若々しく見えた毛並みも、全身ブラッシングをしてみると、背中の黒い毛には白髪のような毛がだいぶ混ざり、年齢相応のパサつきがあることにも気付きました。

さらに特筆すべきは、その睡眠時間。起きている時間が貴重だと思えるほど、日がな眠っています。それが高齢猫だからか、そもそも猫という生き物はこんなものなのか、経験値がないため判断できませんが、この冬我が家には、想像以上に穏やかで、スローな時間が流れています。
猫って、いいですね。

保護猫 ちびた
ベランダの外で聞こえるクラクションや人の声に耳を澄ませる背中に哀愁が漂う。ナイスミドル。

「クウネルライター保護老猫を飼うvol.2~正式譲渡と動物病院と改名と~」につづく

文/権 佳恵

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【動物のいる暮らし②】ちょっと強面、でもとても穏やかな保護犬が、くつろげる場所&グッズ。
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