クウネルライター保護老猫を飼うvol.2~正式譲渡と動物病院と改名と~

保護猫 ハチワレ ちびた

三人+保護老猫一匹(※前回のお話:キジトラの子猫をもらうはずが11歳のハチワレがやってきた)で迎える初めての年末年始は、平穏そのもの。家族全員、こたつに集まる時間が長くなり、とくに年明けは、ちびたの生活リズムに私たちも迎合して(つまり完全寝正月)、丸くなって過ごしました。そんな日々が、松の内とともに明ける頃、保護センターから、正式譲渡の意思を確認する電話がかかってきました。


■トライアル飼育が終わります

ちびたが保護されていた東京・自由が丘の 『みなしご救援隊 犬猫譲渡センター』 では、1~2か月程度をトライアル飼育期間として設けてました。先住猫がいる家庭では相性を見定め、我が家のような動物飼育経験に乏しい人は、本当に終生飼育の覚悟を持てるのか見極めるための期間です。「飼育体験」ということでなく、正式譲渡前提のものではあるものの、万が一だめだった場合は、無理せずすぐにお返しください、と面談時に言われていました。

想像以上に毛が抜ける(かつブラッシングを嫌がる)ので、コロコロテープが最速でなくなる、真夜中でもペロンペロン顔を舐めて餌をねだりにくるので寝不足がつらい、目を離したすきにベランダの柵を越えて三軒先のよその家まで脱走して血の気が引く、などなど。なにしろこちらは素人ですから、なにかあるたび、慌てたり、焦ったり、ググったりで、いちいち大事件なわけです。

保護猫 ハチワレ ちびた
お笑い番組と駅伝とちびたの寝顔を見ながら過ぎていった、2022年の始まり。
保護猫 ハチワレ ちびた
少し運動させねばと私が買ってきた爪とぎポールをツンツン(しかし数日で飽きて見向きもしなくなる……)
保護猫 ハチワレ ちびた
引き裂いてでも中に入ってやろうと頑張っておられるバッグは、私が大切にしているミナ・ペルホネン。や~め~て~。
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でも、もう心は決まっていました。
お正月休みが明けた最初の土曜日、久しぶりにセンターを訪ね、正式譲渡の手続きを取ってもらい、私たちは家族になりました。尚、譲渡時は、その個体に関してセンターが保有するすべての情報(ただし飼い主の個人情報は除く)が開示されるとのことでしたが、残念ながらちびたの場合、高齢の前オーナーさんが施設入居したという保護経緯しかわからず、生年月日やワクチン接種履歴は判明しないままなのでした。

保護猫カフェ 犬猫譲渡センター 
譲渡時は、一口一万円からの寄付が必要で、それらは今後の施設の運営費に充てられる。保護犬・猫の里親にご興味がある方はぜひ施設のInstagramを覗いてみてください。

■ちびたのドクター探し

ちびたを正式に家族として迎い入れて、最初に出かけた先は動物病院でした。トライアル飼育初日から、少し鼻が詰まっていることが気がかりで、一度きちんと病院で診てもらいたいと考えていたのです。そこで、年末年始の余暇を使って、都内及び近郊の動物病院を徹底的に調べました。おもに重視したのは、やはり口コミ。そんな中、自宅から車でわずか5分の距離にある一軒の小さな病院が目に留まります。建物は少し古びていますが、とにかく先生が素晴らしい、との前評判でした。

実際会った初老のおひげの先生は、まさに噂通り。私たちのビギナー丸出しの質問にも、ひとつひとつ丁寧にアドバイスを返しながら、ちびたが不安にならないようにずっと優しく撫でてくれていました。鼻詰まりはどうやら慢性的なもので、もう少し様子をみることに。最後は、私たちが自宅で諦めていた「爪切り」をしてもらって、無事終了。ちなみに、この日のお会計は500円という超良心的価格で、これまた感動なのでした。次回は、猫ドックをお願いする予定です。

保護猫 ハチワレ ちびた 動物病院
病院到着。診察台の上に乗るとさすがに温厚なちびたも、闘争&逃走態勢で構える。
保護猫 ハチワレ ちびた 動物病院
一生切れないんじゃないかと思った爪切りも、百戦錬磨の先生の手によってあっという間に終了。あぁ、良かった。
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■11年分のバトンを受け継ぐということ

じつは当初、ちびたに新しい名前をつけてやりたいと考えていました。うちの子として、「第二の人生」ならぬ「第二の猫生」を歩んでもらうわけだから、恰幅がよくておおらかなこの子にもっとふさわしい、素適な名前をつけてあげたい、と。うーん、まる? 太郎? 大将は?
でも、それは、私のエゴだったことを悟りました。

ある日、餌場に向かうちびたの背中に「ちびちゃん」と、呼びかけてみたんです。するとどうでしょう、くるっと振り返って今まで一度も見たことのない表情で私を見据えたのです。え……?もう一度ゆっくり「ちびちゃん」と呼んでみると、今度は普段めったに耳にすることのない小さな声で「にゃぁ」とお返事したのです。

そうか!ちびたは、前の飼い主のおじいちゃんもしくはおばあちゃんに、「ちびちゃん」と呼ばれていたんだ。きっと、ちびたが正真正銘のおちびちゃんだった頃から、ずっとずっと大事にされながら、そう呼ばれて育ってきたんだ。だとしたら、飼い主さんもちびたも、本当は離れることなく、この先も一緒に暮らしていきたかったんじゃないのかな―――。

それに気づいてしまったら、もう改名などできるはずありません。およそ11年間、愛情をたっぷり注いで、優しい子に育ててくれた前の飼い主さんにただただ感謝しながら、そのバトンをちびたが命をまっとうする日まで、落とすことなく繋いでいくのみです。
ちびた、うん、いい名前です。元気に長生きしようね、ちびちゃん。

保護猫 ハチワレ ちびた
最近さらに、ひとまわり、いえふたまわりほど大きくなられたような気がするのは、幸せ太りということでよろしいでしょうか。

次回は、「御老公ちびたの健康とペット保険を考える編」(2月末予定)です。

文/権 佳恵


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