齢11歳(推定)の保護猫「ちびた」との出会いから三か月(※前回のお話:正式譲渡と動物病院と改名と)。季節は、冬から春へ移り変わろうとしています。最近の御老公といえば、食欲にますます拍車がかかり、歩くたびお腹のぽよぽよが地面ギリギリをかすめ、このままでは床に届いてしまう日も遠からず……。そろそろ、生活習慣を見直す必要がありそうです。遅い?
■健康のキホン、食を改めたい
というわけで、少々ふくよかになられた我らがちびた、ダイエットに取り組むことに。目指せ、健康。レッツ、長生き。
これまでちびたのエサは、一か月に数回、近所のディスカウントストアやス-パーでまとめ買いしてきました。ちなみにこれはうちに限ったことではないと思いますが、ウェットフード大好き!チュールも大好き!カリカリ(ドライ)はあんまり……というのが、揺るぎない嗜好です。
今月からそこに、店頭ではあまり見かけない「こだわり系」のエサをネットで注文し、交互に与えてみることにしました。「獣医師と共同開発」「無添加」などの触れ込みがあるそれらは、パッケージもおしゃれで、裏の成分表には健康へのアプローチが訴求されています。実際、どれほどの差があるかはまだわかりませんが、またご報告しますね。今のところ、ちびたももりもり食べています。
■ペット保険は必要?不要?
みなさん、ペット保険て、入っていますか?動物病院のホームページで「当院は◎◎のペット保険に対応しています」という文言や、保険会社のバナーが貼ってあるのを見かけるたびに、勝手に急かされているような気がして迷っていたのですが、結論からいうと、私の場合、いますぐの加入は見送りました。
高額医療費の一部を補填してくれるという仕組みはもちろん魅力的で、経済的・精神的な負担も軽くなり、将来的に治療の選択肢も広がるはずです。その一方で、保険料は基本掛け捨てであること(もちろんペットが高齢であれば保険料も上昇傾向)、またほとんどの保険で一年ごとの更新が必要で、慢性的な疾病等がある場合、更新できない可能性もあることが、今回わたしが即決できなかったもっとも大きな理由です。
ただし、全国にある犬猫保護施設の中には、ペット保険への加入が、譲渡の必須条件になっているところもあります。つまり、加入・非加入に関わらず、当たり前ですがどんなペットも、責任をもって生涯飼育する覚悟と、長期的な見通しが必要だということ。肝に銘じます。
■猫の日に号泣しながら考えた
去る2022年2月22日は、数百年に一度、2ばかりが並ぶ「スーパー猫の日」でしたね。SNSでは、世界中の人たちが愛猫の萌え写真を投稿しており、わたしもちびたを膝に乗せながら画面をスクロールし、目を細めていました。
そんな中、大好きなエッセイストのこだまさんが、猫の日に寄せて、Twitterで自身の新刊の一部を、抜粋掲載していらっしゃいました。20年という結婚生活のほとんどを共に過ごしてきた愛猫が虹の橋を渡った日のことを静かに綴った実話は、軽い気持ちで読み始めたのですが、途中から文字を追えなくなりました。泣きすぎて。でも、とても優しい気持ちになりました。
じつは、成猫を譲渡してもらおうと決めた時、優しい猫飼いの先輩たちから「でも、お別れが早いよ」と、やんわりアドバイスをいただきました。そのときは受け流したわたしも、ちびたが家族の一員としてなじみ、懐いてくれればくれるほど、決して若くないちびたと、この先どのくらい一緒にいられるのだろうと逆算して、たまに悲しくなることがあります。
でも、やっぱりあのとき、かわいらしい子猫ではなく、立派な成猫ちびたを選んで良かったなぁと、思っているんです。夫にすら一言ったことのない「私たち、出会う運命だったんだね」というセリフを、人生で初めて使いましたよ、猫に。
もし、想像するよりも早くちびたにその日が訪れたとしても、後悔はないと最期まで言い切れるような飼い方をするのが、私の目標です。
200年後に再び訪れるらしいスーパー猫の日は、世界中の猫たちがみんな、スーパー幸せでありますように。
これからも不定期ですが、たまにこちらでちびたの様子をお伝えしていきますね。
文/権 佳恵
●これまでのあらすじ
◎ クウネルライター保護老猫を飼うvol.1~キジトラの子猫をもらうはずが11歳のハチワレがやってきた~
◎ クウネルライター保護老猫を飼うvol.2~正式譲渡と動物病院と改名と~