ストーリーのある部屋にはオリジナルの美意識や暮らしのアイデアが多数。 そんな部屋の話に注目!サステナブルな生活雑貨を扱うECサイト運営の、張毓青(チャン・ユーチン)さんと若井康弘さんのお宅にお邪魔しました。サイトの精神にリンクした、夫婦のライフスタイルと家の関係を拝見します。
結婚後しばらくして男の子を授かった7年前から、都心の二世帯住宅に住むふたり。主に台北に暮らすチャンさん両親と建てた家です。「たくさんの人に来てもらえる、居心地いい明るい家にというテーマがありました。また、私はもともと母の影響もあって環境問題には関心が深かったので、両親の希望を混ぜながら夫婦で環境への配慮も加え、家づくりを考えたんです」(チャンさん)
起業より前から、都会でのサステナブルな生活を課題としていたふたり。 「できるだけエコな素材を選ぶとか、 電力もなるべくセーブするよう採光を考えるとか、住居自体にも工夫をしています。都会で取り組め背伸びはしないレベルですが」(若井さん)
さりげなくセンスがよくて、シンプル&モダン。「地球にやさしい」だけを追求した部屋とは違う空気が流れます。「家具など土に帰る素材優先とはいえ、 テイストやデザインで選んでいます。 ふたりともシンプル好きなので余分な要素は入ってないけれど」(チャンさん)
自然に生活スタイルと重なる、 シンプルで無駄ない部屋。
例えばダイニングにはテーブルとイ ームズチェア、ベンチ、リビングには ソファ2脚と小さな机、棚と厳選。「テーブルは設計の仕事を始めた友人にナラ材で作ってもらいました。人材的にもエコかな!?余った木材でベンチとスツールもできてきて。テーブルは継ぎ目が合わない所があったりするけれど生活のベースみたいに重宝していて、味も出てきました」(若井さん)
サステナブルを目指すとはいえ、無理がないからこそ「居心地」に繋がるので しょう。友人がよく集って、丸一日滞 在していく人も多かったそう。そんな 賑やかな時間が早く戻りますよう。
チャン・ユーチン、若井康弘
チャン:東京生まれの台湾人。コンピュータサイエンスとファッションを海 外で学びアパレルほか日本の企業でキャリアを積む。
若井:東京出身。 A.P.C.代官山の店長職などファッション、リユース、リサイクルの仕事を経験。ふたりで2019年ボーダーレスクリエーションズを設立。サステナブルなライフスタイルを発信。オンラインストアを2020年より開設し、 他で購入できないアイテムも多数。https://borderlesscreations.com/
『ku:nel』2021年7月号掲載
写真/伊藤徹也 取材・文/ 原 千香子
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