フード編集者であり旅を愛するツレヅレハナコさんは各国の鍋や台所用品を買って持ち帰り、毎日の暮らしに楽しく取り込んでいます。「現地で食べたおいしい味を再現することが好き」。今回はそんなツレヅレハナコさんによる東北料理『いも煮』とポルトガル料理『カンジャ』のレシピを紹介していきます。
■鍋その1
岩手県の南部鉄器の鍋
東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県大槌町の町づくりを「食」を通して応援している。その関係でたびたび訪れる盛岡で見つけた鉄鍋。厚手で煮込みや鍋料理に最適。
いも煮
山形県をはじめ、東北各県で作られるこの料理、牛肉、豚肉、みそ味、醤油味とさまざまなバリエーションがある。具沢山で、体の芯から温まる一品。
●材料( 4 ~ 5人分 )
鶏もも肉…1枚
油揚げ…1枚
大根…3cm
にんじん…1本
舞茸…1パック
里いも…4個
長ねぎ…1/2本
つきこんにゃく…200g
しょうゆ…1/2カップ
●作り方
1)鶏もも肉はひと口大に切る。油揚げは縦半分に切ってから1cm幅に切る。 大根、にんじんは4cm長さに切り、 縦半分に切ってから薄切りにする。 舞茸はほぐす。里いもは皮をむいて、 1cm厚さに切る。長ねぎは青いところも含めて斜め薄切りにする。つきこんにゃくは下ゆでする。
2) 鍋に長ねぎの青いところ以外の具と 水1.5リットルを入れて火にかけ、 里いもに竹串がすっと通るようになったらしょうゆを加える。仕上げに長ねぎの青いところを散らす。
■鍋その2
ポルトガルの寸胴鍋
「ポルトガルへ行ったとき、フリーマーケットでおじいさんが売っていた鍋。料理上手だった奥さんが亡くなって、その愛用品を売っていたんです。スープ作りにちょうどいい」
カンジャ
当地で習った家庭料理。優しい鶏スープにはお米が入っていて、風邪のときなどに作るのだとか。「日本の鶏雑炊みたいな滋養たっぷりのスープです」
●材料(4人分)
鶏むね肉…1枚
鶏手羽先…4本
玉ねぎ…1/2個
セロリの葉…1本分
にんにく…1かけ
クローブ…2粒
米…大さじ3
塩…小さじ1
レモン、ディル…各適宜
●作り方
1)鍋に鶏むね肉、手羽先、5mm厚さに 切った玉ねぎ、せん切りにしたセロ リの葉、つぶしたにんにく、クロー ブ、水1.5リットルを入れて中火に かける。沸騰したら弱火にして30 分煮る。
2)鶏むね肉を取り出して粗熱をとり、 細くさく。スープに米、塩を加えて さらに30分煮る。
3)手羽先を取り出して骨をはずし、む ね肉と共にスープに戻し入れる。器 に盛り、レモンとディルをのせる。
つれづれはなこ
お酒と料理を愛する料理編集者。新居建築の物語は『女 ひとり、家を建てる』(河出書房新社)に詳しい。4月には美味ガイド本を出版。
ku:nel 2021年5月号記載
写真 柳原久子 / 取材・文 船山直子
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