【松永加奈のフランス便り58】パリっ子もラーメンに夢中です。でも、やっぱりアレはタブー?!

松永加奈 麺

在パリ6年のクウネル・サロンメンバー松永加奈さんのフランスレポート。今回のテーマはパリでも人気という日本の麺について。ラーメン、そば、うどん、パリっ子たちにも大いに愛されているようですが、どうしても受け入れてもらえないカルチャーが……。

近頃、フランスのスーパーでも、フィルムに巻かれた「おにぎり」や、蓋つきの容器に入った「丼もの」が並ぶようになりました。高すぎる値段(おにぎり1つ400円以上!)、パッケージに綴られた微妙な日本語など、それなりに突っこみどころはあるものの、日本食がどんどん身近になってきているなと感じます。

パリには正統派からオリジナル(?)まで、たくさんの日本食店があり、特に「ラーメン」「うどん」「蕎麦」が人気で、店頭に列ができることも珍しくありません。当然、みんな並ぶほど日本式の麺が好きなわけですが、食べ方はフランス式のフリースタイル。そしてそこに見えるのは、フランスの食文化です。例えば、フランスで「麺をすするのはマナー違反」というのは有名な話。でもラーメンは好き、食べたい!という場合、どのようにするのかというと?

日本の食べ物についての本、右下は「Nouilles japonaises(日本の麺)」。ramen、soba、udonと書いてありこの3つがメジャーなのがわかります。

パリ市内には日系のうどん屋さんが何軒かあってどこも人気。初めてうどん屋さんで行列を見たときには「フランス人も並ぶんだ」と驚きました。

昨年オープンした九州のうどんチェーン店は、日本ではおなじみのセルフスタイル。今までパリにはなかったカスタマイズ方式が話題に。

自分で具(おかず)を自由に選べれば外国人の方もオーダーしやすいかも。私は久しぶりのセルフサービスでテンションがかなり上がりました。

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麺をすすれないフランス人の食べ方やいかに?

私が見聞きした方法はいくつかあり「フォークでくるくる巻いて食べる」「箸で麺を取りひたすら口へ運ぶ」「スープに麺を落としまくっても気にせず何度でも掴み上げて食べる」…など。一番最後の方法はスープが飛び散るので周りの人の迷惑になりそうですが、本人いわく「すするのは絶対に避けたい」のだとか(いやでもその方がマナー違反では?)。さらによくある方法が「スープを飲み干した後に麺だけまとめて食べる」「最初に麺だけ取り出して別々に食べる」というやり方。フランス人はスープ好きゆえに、麺ありきのメニューでも「スープメイン」になる人が多いんだそう。それならラーメンじゃなくてもいいような…。以前、スープを飲みながら、別皿に取り出した麺をナイフとフォークで切って食べる人を見たときは「え、そこまでして?」と思わずにはいられませんでした。

スーパー(MONOPRIX)の棚に「小麦とそば粉の麺」と書いてあるPB商品を発見して即買い。食べてみたところ、香りは薄めでしたが普通におそばでした。

うちが行きつけの「越前そば 東郷(※)」の天おろし。お店の方曰く「そば=ヘルシー食」というイメージで来店するフランス人が多く「山菜そば」が人気だそう。確かにそれはヘルシーかも。

フランス製のものではないようですが「とんこつラーメン」のジグソーパズル。マンガやアニメの影響で日本のラーメン文化を知る人も。

箸でつまみ上げた麺と日の丸風のデザインに「ラーメン」「東京」と書かれたバックプリント。日本といえば「ラーメン」のイメージ?

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(※)越前そば 東郷 @togo_paris

そば抜きつゆだくの注文も

ラーメンだけでなく、そばでも同じようなことが起きていて、いつも行く日系のおそば屋さんには「そば抜きつゆだく」という常連さんがいるんだとか。つまりオーダーは「お出汁のみ」!そば屋でそば抜きって…。そば処出身の私には理解しがたいですが、それほどそこのお出汁が気に入っていて、お店の方も「ご本人がそれでいいのなら」とのこと。まあスープだけ飲んで麺を残すくらいなら、そのオーダーの仕方もなくはないのかも。どうでしょう?

フランス人が経営するラーメン店の店内は、昭和レトロな日本の街角を再現。海外では日本の文化を全面的に押し出した内装のラーメン店をよく見ます。

次々とオープンする日系ラーメン店。こだわりの手打ち麺やスープが味わえる本格派なので、できるだけのびないうちに食べてほしい、、と思います。

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ちなみに、熱いものが苦手で、さらにおしゃべり好きが多いフランス人。冷めるのを待ち、話に夢中になる、そんな彼らの前にある麺がのびのび状態になることは既定路線。「文化の違いだから仕方ない」とは思いつつ、ラーメンもうどんもそばも、のびないうちに(早めに)食べようとする人を見ると「そう!そーう!」と、ちょっとうれしくなる日本人の私です。


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