元気と若さのための努力がむしろ逆効果だった!?前回に引き続き 精神科医の和田秀樹先生が目からウロコの健康法を伝授します。
和田秀樹/わだひでき
精神科医。和田秀樹こころと体のクリニック院長。1960年大阪府生まれ、東京大学医学部卒業。30年以上、高齢者医療の現場に携わる。近著に『70代で死ぬ人、80代でも元気な人』(マガジンハウス)。
60代からは痩せよりちょいぽちゃ
無駄な脂肪のないスリムな体を求めて、食べたいものを我慢して、必死で走ったり筋トレしたり。いくつになってもダイエットが頭の片隅から 離れない女性たち。
「痩せ願望は現代の纏足。私は、行きすぎたダイエット信仰は人類の敵だと思っています。太る=醜い、痩せている方が美しい、なんて過去のファッションデザイナーが作り上げた幻想で、そもそも時代錯誤。特に年齢を重ねると、貧相な印象の痩せた体より「ちょいぽちゃ」の方が、顔もふっくらでシワも目立たないし若々しく見える。おいしそうに食事をしている女性は人として魅力的です」
「 世の中には、グラマラスな体だからこそ着こなせる服もたくさんあります。ボリュームのある体型を隠すのではな く、欧米の女性たちのように堂々とボディラインを出して、ゴージャスな大人の魅力をアピールすべきなんです。そして、ある年齢になると、男性が女性に求めるものは原体験である母親像。最近は男性の精神面も幼児化しているから、自分がリードするより包容力を感じさせる頼もしい女性を好む傾向も。 芸能界はともかく、リアルな世界では 「ちょいぽちゃ」の方が断然モテますよ」
『クウネル』2022年11月号掲載
イラスト/菊野友美、材・文/片岡えり、構成/今井 恵