【住まいと暮らしvol.26】好きなものを追い続けることが自信にー文筆家 甲斐みのりさん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の浮須恵さんのバトンを受けてご登場いただくのは、文筆家の甲斐みのりさんです。

甲斐さん・暮らしのルール

住まいと暮らし 甲斐みのり プロフィール

1)好きなものに囲まれて暮らす
2)おやつの時間を大切に
3)ときめく気持ちを忘れない

旅、散歩、お菓子、パン、建築、郷土玩具、本など、幅広いジャンルで執筆されている甲斐さん。その暮らしは、長く好きでい続けているというたくさんのものに溢れています。

「“好き”という気持ちは一目惚れに似ていて、時間をかけて好きになったり、深い理由が伴うこともありますが、たいていは出合ったそのとき、“素敵だな”と直感で感じて高揚します。今は「推し活」などと表現されますが、好きなものがあって夢中になると”生きていてよかった”と思えるし、少し気持ちが沈むことがあっても、たくさんの好きなものが手を差しのべて救い出してくれます。いつも助けられているので、恩返しのように応援を続けていますが、夢中になれるものがたくさんあることで暇と感じたことがなく、日々充実感を得られています」

子どもの頃から、かわいいと思えるものにときめきを抱いてきたという甲斐さんは、その気持ちを忘れないよう心がけているそう。

「”かわいい”を見つけたり、所有したり、お守りのように持ち歩くと、少しだけ自分に自信を持つことができます。落ち込んだり考えごとをしてしまいがちなのですが、かわいいものを愛でてときめきに満たされることで、マイナスな感情が消えていく気がします。自分の価値観が定まってきたからか、40代になってから人と自分を比べたり、羨ましいと思うことがなくなり、自分のペースで生活や人付き合いができるようになってきました。これからは今までよりもさらに、その土地土地のいいところを探す活動をしていきたいですね」

甲斐みのり おやつの時間
おやつの時間を大切にしているという甲斐さん。「私にとっておやつの時間は自分の気持ちをリセットする時間。忙しい日は、3時になったらひと休みしようとおやつの時間を目標にがんばり、息抜きができます。コーヒーは、戸隠から持ち帰った竹製のコーヒードリッパーで淹れることも。カップは、大分の亀田大介さんのものです」
甲斐みのり 台所道具
料理道具はできるだけ、木や竹と自然の素材のものを。「便利さよりも、自分で使って心が楽しくなるようなものを選んでいます。買いものをするときはあまり悩まず、一目惚れを信じる即決派です」
甲斐みのり 器
さまざまなものを集めている甲斐さん。「そのひとつが器。旅先で購入することが多く、台所の棚の中にもぎっしり。並べてみると、なんとなく好きな系統が見えてきます」
甲斐みのり お茶缶
台所の棚ひとつ分は、茶葉が入った缶がぎっしり。「“ドリンクバー”と呼んで、お茶の時間を楽しんでいます。静岡生まれだからか、母がお茶が好きだからか、幼い頃から一日中、お茶を飲んでいました」。猫の缶はオリジナル。イラストレーターの網中いづるさんと作ったもの。
甲斐みのり おやつかご
仕事でも、手土産を紹介することが多い甲斐さん。日本全国のおやつ研究に余念がないそう。「”おやつカゴ”には、常におやつがぎっしり。ここに入っているものは、自由に食べていい決まりです」
甲斐みのり 朝ごはん
子どもの頃から朝はパン派。「簡単でも、朝食は必ずとるようにしています。忙しい日はパンとヨーグルトだけ。休日はサラダやフルーツと品数を増やして、ゆったりと」
お菓子の包み紙を蒐集している甲斐さん。「すでにコレクションされているものは、自分の手で封筒に加工します。実際に送るときには「包装紙を再利用しているので、シワやヨゴレがありますが、ご容赦ください」というシールを貼って使っています」
昔から詩を読むのが好き。「今でも詩集を読むひとときを大切にしています。軽井沢から帰ってきたこの日は、立原道造さんと室生犀星さん、軽井沢にゆかりのある作家の詩集を眠る前に読みました」
東京にいるときよりも、旅先での方がよく買い物をするそう。「多いときには毎週どこかに旅に出ているので、買い物の数も多くなります。こちらは、別府の雑貨店〈SPICA〉。大好きなお店で、ときどき通販も利用しています」
甲斐みのり 名建築
名建築巡りが趣味のひとつ。「こちらはチェコ出身の建築家、アントニン・レーモンドが設計し、宮大工が建てた軽井沢の〈聖パウロカトリック教会〉。堀辰雄の小説『風立ちぬ』にも登場します」
旅先でも日常でも、喫茶店で過ごす時間がほっとするひととき。「大学生の頃から、喫茶店巡りを続けてきました。こちらは定期的に仕事で滞在している、名古屋の〈サンモリー〉。フルーツサンドが美しくておいしい」
甲斐みのり 猫
夜さんぽが日々の楽しみ。「散歩コースに、いつも猫が入れ替わりで眠っている塀があり、猫が寛ぐ姿を写真に撮って定点観測しています。ご近所さんのアイドル猫で、この道を通る人はみんな温かく猫を見守っています」
家で過ごすのも、ホテルに滞在するのも好きだという甲斐さん。「こちらは〈パレスホテル東京〉の部屋のバルコニーで、皇居を眺めながら「マロンシャンティイ」と「スワンシュークリーム」を味わったときのもの」
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甲斐さんがバトンを渡すのは、織物作家の上杉浩子さん。「年上の友人、上杉さんは、生き方、暮らし、ファッション含めて、私の憧れ。定期的にお茶を楽しんだり、よく一緒に旅もしています。他愛ないことも大切なことも、なんでも話せる頼もしい存在。上杉さんの手から生まれる、ホームスパンの織物も、愛犬との生活もとても素敵です」と甲斐さん。上杉さんの暮らしは、12月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

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