2019年の夏に引越しを決意し、それから約2年の歳月を経てフルリノベーションを果たしたという新田草子さん。できるところは自分で手を動かしながら、予算内で理想を形にしたという試行錯誤の過程をご紹介。リノベーションを考えているマチュア世代の皆さん、必読です!
新田草子/にったかやこ
『アンアン』『クロワッサン』などの女性誌やレシピ本、Webで編集・ライターとして活躍。温泉好きで、キッチンのコンテナの1つは、青森『酸ヶ湯温泉』の湯治用セットが収納されているそう。
20軒ほどの見学を経て、物件決定!
物件選びに1年をかけ、新田草子さんが新しい住まいに選んだのは、理想的な立地にある昭和の団地のような佇まいの建物です。
「築55年と古くて広さも50平方米ほどなのですが、どこかおばあちゃん的な温かみを感じて一目惚れしました」
躯体だけのほぼスケルトン状態で購入でき、間取りや仕様を一から自分で決められるのも大きな魅力だったよう。
プランニングのすり合わせ。水回りなどの設備探し。
「扉を付けず、仕切りのような壁を作ってリビングと書斎、寝室を区切るだけにしよう」。最初に浮かんだ案を形にし、回遊型で風通しのいい住まいに。海外のエコな家で見たという熱交換器を設置し、断熱材は厚めに使用。
料理好きで、キッチンはステンレス製でシンク下がオープンの仕様にこだわり、『松岡製作所』にオーダー。上部にはお気に入りの収納コンテナのサイズに合わせて棚を造り付けてもらい、見た目もすっきりと使いやすい形に。
できるところは自分で。
「やりたいことを詰め込んだら予算が膨らんでしまって」と新田草子さん。壁のペンキは自然塗料の『ポーターズペイント』のワークショップを受けてセルフペイント。書斎の小さな棚なども自分で取り付け、施主支給を増やすことで、楽しみながらコストカットにつなげたといいます。
「天井も白く塗る予定でしたが、55年を経た趣を活かしたら、古びた味わいがほどよく残る部屋になりました」。
暮らし始めて10か月。「気に入っているところはすべて」と、いい笑顔です。
写真/柳原久子 取材・文/石毛幸子 再編集/久保田千晴
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