衣食住にまつわるウィンドウディスプレイの世界で活躍するみつまともこさん。その住まいも、「飾る」がキーワードの素敵なものでした。
みつまともこ
衣食住にまつわるウィンドウディスプレイや雑誌・書籍などの撮影のスタイリングを手掛ける。著書に『暮らしの図鑑ガラス』(翔泳社)がある。 夫と小学生の娘の3人暮らし。http://mitsumatomoko.com
生まれ育った実家は、いわゆる昭和感にあふれる一軒家なんです。と笑う、みつまともこさん。
「姉と同じ部屋だったこともあり個室に憧れていて。就職してはじめてひとり暮らしをしたときに、家具や家電、 雑貨などを選ぶワクワク感で胸がいっぱいになったことをよく覚えています」
その後、結婚して東京都内のマンション住まいに。娘が生まれて手狭になったこともあり、購入することを念頭に家探しを始めたといいます。
「以前から、広い平らな空間に柱やパーテーション、家具の配置やラグなどでざっくりとコーナーを作るストゥーディオ風な住まいに憧れがありました。 それを叶えるべく、中古マンションのフルリノベーション、一軒家、コーポラティブハウスの3つに絞って探したのですが、広い空間というのが難しくすんなりとはいきませんでしたね」
現在の住まいであるコーポラティブハウスの募集を見つけたのが8年ほど前のこと。若干スペースが小さかったものの、さまざまな条件を考慮して購入を決断したそう。日当たりのよいスペースを広めのLDKにして、寝室兼ワークスペースとなるひと部屋、その部屋とつながっていて、スライド式のドアで仕切れる子ども部屋の2LDKという間取りに落ち着きました。
部屋の至るところにこだわりを
「とにかく窓が多い家なので、限られた壁をどう生かすか考えました。家族の気配や季節を感じられる棚を作りたいと思っていたので、リビングに入ったときにその棚に目が留まるよう、ドアから対角線上に配置しました」
そのオープン棚をはじめ、たくさんのグリーンや家具が配置されているリビング。比較的ものは多いですが、ごちゃごちゃとした印象はまったくなく、落ち着いた空間づくりは、さすがはディスプレイのプロの成せる業です。
「好きなものしか家に置かない、ということが一番重要だと思うようになりました。娘の成長や家族の変化とともに、いまの家での暮らしを楽しんでいきたいと思っています」
『ku:nel』2021年5月号掲載
写真/近藤沙菜、取材・文/結城 歩
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