英語力ってやっぱり必須?!せっかくの晴れ舞台で、自分を表現できず悔しさいっぱい。

重盛佳世 イギリス

〈クウネル・サロン〉プレミアムメンバーのKayoさんこと重盛佳世さんのライフスタイルエッセイです。『全くダメな英語が1年で話せた!』シリーズが累計28万部を超えるヒットを飛ばし、いまや「英語の達人」として人気のKayoさん。ですが、ずっと「達人」だったわけではないようで……。

英語力ゼロで向かったロンドン出張

前回に続いて、今回もサラリーマン時代の、英語ができなかったばかりに経験した悔しい話。こういうのって、いつまでたっても「黒歴史」として鮮明に覚えているものですね……。

30代後半。当時は通常のPR業務に加え、新規ブランドの仕事にも携わっていました。その時、近く日本契約が切れてしまう有名スポーツブランドの、ライセンス取得プロジェクトに参加していました。PR担当として「ウチに任せてくれれば、日本でこんな宣伝やプロモーションをして売上げに繋げます…」というプレゼン資料を作成。そして幸か不幸か、ロンドンの会社へのプレゼン交渉にも同行することになったのです。(くどいようですが、その時も英語は全くしゃべれませんでした。が、例の「シゲにしかできないことを…」と私に呪文をかけた上司の推薦で共に出立したのでした!)

重盛佳世 イギリス
初めてのロンドン。しかし、気の重い出張でした。

プレゼン中、ただ微笑むだけしかできず…

ロンドンの会社では、私のつくった資料を上司が饒舌な英語でプレゼンしてくれたので、何の問題もなく進んでいきました。が、そのプレゼンの最後に、「この資料は隣にいる彼女が作ったものです。当社に任せてくだされば、間違いなく、彼女がしっかり宣伝してくれます」と気遣って付け足してくれたのです。その瞬間、会場のメンバーが皆笑顔で私に拍手をくれました。中には声をかけてくれる人もいたのですが、当然意味も分からず、私はただただ照れながら微笑むしかありませんでした。こんな場で何もできなかった自分が本当に恥ずかしい…というか、悔しかったです。 (今の私だったら、何かひと言付け足して、更に会場を盛り上げることができるだろうに…って。)

せっかくの食事会でも会話不成立

しかし、この後に更に悪夢が……。プレゼン後には食事会が用意されていました。海外での食事の場では、お互い親交を深めるためにプライベートな会話をします。最初のうちは上司や通訳の方の助けをかりて会話に参加していたのですが、だんだん話について行けなくなり、気づくと下を向いて食べていました。(よく漫画の1シーンにあるような、自分だけが取り残された感じです)。私はただただ、早く食事会が終わってくれることをだけを願っていました。

重盛佳世 イギリス
この時の料理の記憶はゼロ。でも情けない思いは鮮明に覚えています。

英語がしゃべれていたなら…

翌日、私たちは会社に招かれ、その会社の持つ数多くのブランドの企画や宣伝のセクションを案内してもらいました。帰るときに、マーケティング部長に「楽しみに待っているよ!」みたいなことを言われたのですが、その場では分からず、笑顔でお礼を言ってさよなら。上司に聞いたところ、「あのマーケティング部長はシゲを本当に気に入っていたみたいで、夕べの食事会でも『もし英語ができたらすぐにでもウチの会社にスカウトする』って。だから、帰りがけの『待っているよ!』も、英語ができるようになってウチの会社に来てくださいって意味なんだよ!」と。

それを聞いて、「なぬ~???」って。昨晩の食事会のショックから立ち直っていないところに、予期せぬ嬉しい話。しかーし、そもそも「英語は通訳を付ければいいから、自分の仕事に集中すればいい!」と、私から英語の機会を取り除いた上司から言われたものだから、複雑な気分でした。

いまの季節、ロンドンはクリスマスデコレーションできれいでしょうね…

その何年か後に私はイギリスに滞在し、少しばかり英語が話せるようになりましたが、ロンドンを訪れるたびに、あの苦い思い出がよみがえってきます。あの時のロンドンでの情けない経験は、確実に私の英語の勉強の原動力になっているのです(笑)。


【Kayo’s message】

I wish I could speak English.
英語が話せたらなぁ~。

あの時、私が英語を話すことができていたなら、その後の人生も変わっていたでしょう…。ただ50歳を超えた今、こんなに自由な生活を送れていたかも分かりません。「タラレバ」を考えるより、今の自分の生活に感謝していくほうが、きっと幸せに生きていけるでしょうね。

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