料理の際、お気に入りの道具を使って効率を上げられたら良いですよね。道具だけでなく、収納を工夫し空間作りにもこだわることで、心地よく料理ができます。便利さと風情を両立させた、植松さんのキッチンをご紹介します。
選び抜かれたものが気持ちよく収まっている植松さんの自宅キッチン。緑豊かで広々としたテラスに面し、ミニギャラリーのような風情です。
「道具は奥にしまい込むと使わなくなるので、よく使うものは見えるところに収納します。コンロ横の壁に掛けた小鍋は、銅製で熱伝導率がよく、朝は味噌汁の温め、昼は一人分の麺料理にと活躍する働きもの。これらはフランス製のアンティークで、壁面収納ならスタッキングを考えずにしまえるのもいい。同じく我が家で出番の多いワインオープナーは、スペインのバルをまねて、やはり壁面に設置しています」
自然素材の道具を好む植松さんならではの、手軽な取り入れ方も必見です。
「台湾で見つけたかごは、お椀セットの収納にぴったり。せいろは家族の人数分のパン各種をふっくら温めるのによく使います。ハード系のパンも、蒸せばしっとりもちもちになっておすすめですよ。このパンはせいろごと食卓へ。フルーツやヨーグルトなどの小皿を添えればホテルライクな朝食も簡単。食器棚をシンク上に設えて、片付けが効率的に済むようにした動線もこだわりです」
道具の力を引き出す使い方、片付け方を生かす空間。
植松良枝/ウエマツヨシエ
料理研究家。旬の素材を使った料理や、大好きな旅で得た体験を生かした料理が共感を呼ぶ。近著『一度は使ってみたい野菜で、何度でもつくりたいレシピ』(プレジデント社)。
『ku:nel』2021年5月号掲載
写真 奥田一平 取材・文 間中美希子
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