粉料理を愛し、都内のヴィンテージマンションをリノベーションして暮らしているデザイナーの滝沢うめのさん。アンティークを取り入れた素敵な暮らしを見せていただきました。
「粉にさわることが私にとっては瞑想のようなものです。出来上がりのイメージを浮かべながら、無心で形にしてゆくリズムはデザインとは違う喜びに満ち溢れています」だから時間があれば毎日でも、パンやケーキを作りたいし、仕事で夜遅く帰ってきても、「そうだパンを焼こう」と思い立って夜中まで粉をこねる。
そんな粉料理を愛する滝沢うめのさんが都内のヴィンテージマンションをリノベーションして暮らしはじめて1年。木材を多用し、壁をブルーに塗った、オープンなキッチンです。「木材は水に弱いし、使いにくいかも、とインテリアデザイナーに言われたけれど、棚に古材を使ったこの雰囲気が好き。オープンな収納は絵を差し替えるように配置を変えて楽しめます。きれいにしておきたいし、その分、気が引き締まっていいんです」
便利さや手軽さに少し目をつぶったとしても、好きなもの、納得のいく形を選びたい。そんな滝沢さんの気持ちが表れた美しい台所です。
滝沢うめの/たきざわうめの
アンティークリネンのバッグやウエアを展開する「MARTAU.」のデザイナー。パン作りはオーガニックな料理教室白崎茶会で学び、教える資格も。
https://www.instagram.com/martau._umeno/
『ku:nel』2020年7月号掲載
写真 山東サイ/取材・文 船山直子