暮らしの真ん中は料理。フードスタイリストがこだわったキッチンが主役の家。【住まいの履歴】

岡本ゆかこさんキッチン

各界著名人の気になるお住まいを拝見。これまで住んできた家のお話も合わせてお聞きする「住まいの履歴」。今回はフードスタイリストで料理家の岡本ゆかこさんのお住まいです。

暮らしの主役はタフでクールなツインのステンレスキッチン。

「キッチンが主役の家」とは、まさにこのこと。鈍い光を放つステンレスのキッチンがふたつ背合わせに並び、部屋の多くのスペースを占めています。それはまるで、料理を中心にまわっている岡本ゆかこさんの人生そのもののようで……。

フードスタイリストで料理家、この家で料理の撮影をし、生徒を招いて教室を開き、暮らしの真ん中に料理があります。だから、マンションを買い、フルリノベーションをする際、「キッチンをメインに」と思ったのは自然な流れでした。

岡本ゆかこさんキッチン

壁は「飽きがこないように」と白のタイルに。レンジフードも白にして、壁と一体感を出した。美しい道具を飾るように収納。

「実家暮らしが長く、そんなに住まいの履歴は多くないんです。以前の家が、仕事には不便な場所だったので、もっと都心に引っ越そうと。賃貸で探していたのですが、ずっと家賃を払い続けるなら買ってしまおうと購入に踏み切りました」

古いマンションは3LDKで細かな間取りでした。壁を取り払い、天井を抜き、大きなワンルーム仕様にして、部屋の中央にキッチンを据えました。選んだのは、オールステンレスのシステムキッチン。熱や水、油にも強いタフさに魅力を感じてのことです。

岡本ゆかこさんキッチン

システムキッチンは、サンワカンパニー(現・ミラタップ)のもの。家全体は無垢材のフローリングだけれど、キッチン部分の床だけ掃除のしやすさを考えてタイル貼りにした。

特異なのは壁付けとアイランド型とキッチンをふたつ備えたこと。アイランド型キッチンのシンクで野菜を洗い、くるっと振り向き後ろのコンロで焼くなど、動線は至極スムーズ。

岡本ゆかこさんキッチン

ANAの機内で使われていたミールカートは、「飛行機愛」が強い岡本さんならではのもの。

機能美を極めたプロユースのステンレスは、ともすると冷たくも感じますが、さにあらず。欠かさず飾られた花や、散りばめられたお気に入りの道具たちが、空間はやさしくまろやかに仕立てています。

「好きな作家ものの器、美しいシルエットの道具など、バランスをみながら並べる時間も楽しい時間です」

岡本ゆかこさんキッチン

壁面が少なく既製の棚を置きづらいため食器棚は作り付けに。椅子や時計など黒がインテリアのアクセントに。

岡本ゆかこさんダイニング

大人数で食卓を囲むことが多いためテーブルは大きめ。リネンのカーテンがやわらかな雰囲気をつくっている。

住まいの年表

●20代 新宿のマンション

実家を出て、友人とルームシェア。「雑誌の『オリーブ』の世界に憧れていて、インテリアづくりでも参考にしていました」

●30代 三角形の家

三角形の土地に建ちワンフロア1世帯。「デッドスペースが多く、使い方を工夫していました。採光が三面あって明るかった」

PROFILE

岡本ゆかこ/おかもと・ゆかこ

フードスタイリスト/料理家

カフェ勤務後、米サンフランシスコで料理を学ぶ。独立後は広告や雑誌でのスタイリング、レシピ開発で活躍。Instagram:@okamoto.yukako

『クウネル』2026年9月号掲載
写真/有賀 傑、取材・文/鈴木麻子

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