【住まいと暮らしvol.35】作り手の思いをつなぐ活動をライフワークにー「串揚げ 万年青」青木裕子さん

部屋やごはん、お気に入りの道具たちを本人撮影の写真で見せていただき、バトンを繋いでいくリレー連載。前回の上田真理子さんのバトンを受けてご登場いただくのは、「串揚げ 万年青(おもと)」の青木裕子さんです。

青木さんの暮らしのルール

1)何かが起きたときは、気づきだと思って気持ちを落ち着かせる
2)コミュニケーションを大事にする
3)循環をイメージする

京都・西陣で串揚げ専門店「串揚げ 万年青(おもと)」を夫妻で営むほか、毎月25日に「万年青のオモテ市」というオーガニックマルシェを開催するほか、食にまつわるワークショップ「ウラ学」、花教室も主宰する青木さん。

「オモテ市では地元農家の新鮮野菜や、誠実な作り手によるお弁当、惣菜、お菓子などを販売しています。オーガニックを言葉で表現するのではなく、“食べておいしい”を体現してほしい。おいしい理由はオーガニックだから。そんなオーガニックを当たり前にしていきたいです」

さまざまな活動をする中で、大事にしていることはコミュニケーションと循環なのだとか。

「仕事関係や友人関係、ボランティアもすべて、可能な限り直接会ったり、電話で話すなど、文章やSNSだけに頼らないようにしています。また、誰が作ったものか、どのように作られているか、なぜ必要なのか、これを作るために何が必要なのかを考え、作った人に感謝したいと思っています。

これまでの自分の環境に感謝しているので、これからは他者の考え方を尊重し、弱い立場の方々に手助けできるように努力していきたいですね」

作家ものや古いものが好きだという青木さん。「高価なものは手が出ませんが、作家ものは作家さんが制作している風景を想像しながら購入を決めています」

仕事柄、器はほぼ作家が制作したものだそう。「割れた器は金継ぎをしています。エコバッグは市販のバッグに、自分で柿渋染めをしました」

左のオブジェは、全日根さんによるお気に入り。花器は作者不明。

季節の花を生けるようにしている青木さん。

青木さんのセルフメンテナンス。「ちょっと気圧が低いと思ったときは、葛根湯を。喉に違和感を感じたら、梅エキスと非加熱蜂蜜を舐めるようにしています」

添加物を摂りすぎないよう、気をつけているそう。「出汁は鰹と昆布で取ります。時間のないときは、出汁バックの日もありますが、粉末は使わないようにしています」

生活に寄り添う、現代生活空間にあったお花を使って花教室も主宰。

無農薬や自然農の野菜が好きだという青木さん。生産者さんのところに出向くことも多いそう。

青木さんのライフワークにもなっている、月イチ開催の「万年青のオモテ市」。可能な限り、オーガニックの食材とお弁当やお菓子、干物などの販売するマルシェを企画運営しています。

青木さんが昨年制作したリング。「薬指のケガは、車の扉に挟んでしまってできたもの。アクシデントが起こった時はもっと大きな災難が起こる予兆。これくらいで済んで良かったと自分を慰めるようにしています」

寺社仏閣に行くのは、人混みを避けた時間に。

庭の柿の木。「住んで10年になる自宅に元々あったもの。一昨年、初めて1つ実がなり、昨年は14個実りました」

profile

青木裕子/あおきゆうこ

奈良生まれ。金融機関勤務後、建築設計事務所へ転職。直営店店長として、家具と生活雑貨店の運営や展示会の企画に携わる。結婚後、夫の独立とともに飲食店「串揚げ 万年青」をオープン。「オーガニックをあたりまえに」をテーマにしたマーケット、「おもとのオモテ市」を運営して約10年。花教室を主宰。一男一女の母。

青木さんがバトンを渡すのは、「UCHU wagashi」のディレクター木本倫子さん。「ボランティアグループが一緒で、打ち合わせしたり遊んだりする倫子さん。UCHUは西陣に事務所があり、よく市に買い物にきてもらっています。視野が広く、何にでも真摯に取り組む姿勢を尊敬しています」と青木さん。木本さんの暮らしは、6月上旬に公開予定です。どうぞお楽しみに。

SHARE

IDメンバー募集中

登録していただくと、登録者のみに届くメールマガジン、メンバーだけが応募できるプレゼントなどスペシャルな特典があります。
奮ってご登録ください。

IDメンバー登録 (無料)