夢物語ではなく、リアルな人生を時に辛辣な言葉や描写で描く柴門作品。だからこそ、豊富な人生経験を経た、マチュア世代の心に突き刺さるのです。
柴門ふみさん/さいもんふみ
漫画家(65歳)
徳島県出身。『クモ男フンばる!』でデビュー。『P.S. 元気です、俊平』で第7回 講談社漫画賞一般部門受賞、『家族の食卓』『あすなろ白書』で第37回小学館漫画賞青年一般部門受賞。『東京ラブストーリー』をはじめ、多くの作品が人気ドラマの原作に。『薔薇村へようこそ』はビックコミックオリジナル(小学館)で好評連載中。
最後にきちんと女性を描きたい!そんな想いで、初の週刊誌連載を
「40代の女性はまだ若く魅力的だから、男性が意外とちょっかいを出す。周りのそんな話をヒントに、50歳を過ぎてから描き始めた作品。引退も考えましたが“女性を描ききれてない”とやり残した感もあり、最後のバカ力で取り組みました」
なじみのある八ヶ岳を舞台に、人生の再起にかける人々の姿を
「“人生に刺さるような大人のドラマを描いてほしい”と言われ、『恋母』終了後、ほとんど時間を置かず始まった作品。私自身、22年前から八ヶ岳に家があり、土地勘もありました。山や村の風景を描くのが楽しいし、移住者の話を取材するのも楽しい」
『クウネル』2023年1月号掲載
写真/柳原久子 取材・文/今井 恵