大橋利枝子さんのお気に入り。京都の古書店で見つけた一冊が、精進料理へのハードルをぐっと低く

大橋利枝子さん

一冊の料理本との出合いによって、料理が楽しくなったり、仕事に繋がったり、生活がガラリと変わったり……。そんな、暮らしに影響を与えてくれたお気に入りの料理本について、大橋利枝子さんにお話を伺いました。



精進料理を気軽に作れるようになりました

誰にでもできる精進料理

誰にでもできる精進料理』 西川玄房
著者は京都・妙心寺東林院の住職。「食材が持つ旬の味を生かした“精進料理”をキッチンでつくりましょう」をテーマに、春夏秋冬の野菜中心の献立を提案。素材の下ごしらえも丁寧に解説され、入門編的な一冊。(淡交社)

出合いは京都の古書店。店先のワゴンに無造作に並べられたその本に、「おや」と惹かれたのだといいます。書名は『誰にでもできる精進料理』。「京都のお寺のお坊さんによる本だから、正真正銘の精進料理。並んでいるレシピは工程が3つくらいで、とても簡単そう。日常の献立に無理なく取り入れられそうと思いました。

大橋利枝子さんが愛読する料理本
数ある料理本のなかで、有元葉子さん、長尾智子さん、ウー・ウェンさんは特に影響を受けた料理家。
大橋利枝子さん
作るのは、もっぱらお酒に合わせるおつまみ。「精進料理の本の和え物や、お豆腐料理もよく登場します」
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以来、大橋さんの台所で、本のレシピは多数試され、「野菜料理」のレパートリーはどんどん増えていったのでした。「精進料理というと、難しそうと思ってしまいますが、要は、素材の味を生かした野菜の料理。そうわかったらグッとハードルが下がって、身近に感じさせてくれた一冊です」

「とにかく試す」が大橋さんのモットー。料理通のすすめなどで知った料理本はすぐに購入し、台所であれこれ実践。さまざまな料理家の影響を受け、 日々の食卓を豊かにしてきました。本棚には何十冊もの料理本が並び、どの本にもお気に入りのレシピがあります。

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/市原慶子 取材・文/鈴木麻子

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