伊藤千桃さんが今でも見返す一冊。家族のために買ったお菓子作りの教科書

伊藤千桃さんと愛犬の慈源くん

一冊の料理本との出合いによって、料理が楽しくなったり、仕事に繋がったり、生活がガラリと変わったり……。そんな、暮らしに影響を与えてくれたお気に入りの料理本について、伊藤千桃さんにお話を伺いました。



お菓子作りの“きほんのき”をたたき込みました

楽しいケーキづくり〜 ベースクッキング 基本と応用シリーズ No.4
1979年に発売された、基本のケーキやクッキーなどのお菓子の作り方を紹介する本。宮川敏子さん、横溝春雄さん、本間三千代さん、 川上のぶさんなど、第一線で活躍していた洋菓子研究家が執筆人に並ぶ。(講談社)

「この本は子どもが小さかった頃、クリスマスにジンジャークッキーを作りたくて買ったもの。料理教室に行く時間もなかなかとれなかったし、携帯で調べる時代ではなかったから、本を見ながら料理を少しずつ覚えていきました。昔の本にしては、載っているメニューもおしゃれ。私の教科書です」

楽しいケーキづくりの本の中身
庭のレモンを使って、レモンのとれる秋冬にいつも作るレモンメレンゲパイ。気になるレシピを挟んで。
本を読む伊藤千桃さん
愛犬の慈源くんと一緒に本をめくりながら、今日は何を作ろうかと考える時間が幸せだと話す伊藤さん。
楽しいケーキづくりの表紙
この日のおやつは、スイートポテトとショートブレッド。今は本を見ずに、家にあるもので作るそう。
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持っている料理本は、工程ごとに写真で丁寧に解説するこのケーキづくりの本のほか、『健康漬け物』『365日のお菓子・おやつ・パン』など、5冊程度。どれも今でもよく見返すそう。「基本が詰まっていてわかりやすいので、手放せません。今は自己流で作っていますが、家族のために買ったこの本が私の料理の原点。今は“おいしいものができたかも”と思いながら、ワインを飲みながら食べるのが、1人の時間の楽しみになっています」

『クウネル』2023年1月号掲載

写真/大森忠明 取材・文/赤木真弓

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