夫の海外赴任に伴い、ソウル→パリと、日本を11年間離れていた松永加奈さんが、いよいよ今年日本へ帰国。「やっぱり日本は落ち着くな~」と、日々かみしめているようです。いろいろあった2021年を振り返ります。
もうすぐ終わる2021年。顔をあげれば「え、もう12月?」と驚き、振り返れば「いろいろあったなあ」と足跡を確認する年末。今年起きたあんなことやこんなことが頭を駆け巡っています。
ロックダウン下のパリでお引越し
2020→21年の年越し、フランスではクリスマス休暇に合わせ、一部ロックダウンを緩和していました。予想通り人々は大いに盛り上がり、となると当然、年明けに感染は拡大…。2月から再び規制が強化され、夜間外出禁止や大型施設が営業禁止に。基本的にこの「規制強化」と「ちょっと緩和」が繰り返され、最終的にロックダウンが解除されたわけですが、小刻みに内容が変わるので「いま何がダメなんだっけ?」とご近所さんとしょっちゅう状況確認。そんな中、我が家はオーナー都合で引越しを強行。まだ人が住んでいる状態でも部屋の内見を行うフランス、そして時はコロナ禍。気を遣いながらの部屋探しとなりました。
コロナ下で国民性のちがいを実感
屋内がだめなら屋外で!とばかりに、肌寒い時期から公園はピクニックで大賑わい。私も久しぶりに公園のベンチで友人とコーヒーを飲み「おいしい!楽しい!あったかい!」と喜びを噛みしめました。但し、夏時間になって一気にタガが外れたのか、夜7時までの帰宅を守らない人が続出。禁止されている大人数のホームパーティも増え、近所のアパートから大音量の音楽や歓声が聴こえてくるたびに、なんだかとっても文化の違いを感じたものです。
5月になり、ワクチン接種が進む中で、みんなが待ちに待ったテラス席がオープン。美術館なども完全予約制で営業が始まり、屋外でのマスク着用義務の解除、店内飲食OK…と、夏を目前に街がどんどん開いていきました。昨年は全くいなかった観光客も今年はかなり増え、もちろんコロナ禍前より断然少ないのですが「こんなにたくさんの旅行者を見るの久しぶり!」という印象。そして8月には、東京2020からバトンを受け、次回開催国のパリではセレモニーを開催、世界に中継されました。こんな感じで、ほとんどの規制が緩和され、人々がバカンスを謳歌した2021年夏。その様子を眺めつつ引越しの準備を進め、バカンス帰りのフランス人と入れ違いに、我が家は日本へ帰国しました。
ただいま東京
2年ぶりの東京は緊急事態宣言下。強制隔離と自主隔離を経ての新生活スタートとなりました。以前のように、帰国してすぐ家族や友人と会えないのは残念でしたが、プラ板に囲まれての外食(それ以前に外食自粛)、マスクもきちんと着用(罰金制もないのに)、「今は我慢のとき」と自制する日本人の真面目な気質に改めて感心しました。久しぶりの日本、たまに感じる驚きなどはたびたび書いている通りですが、なんといっても便利で清潔で何でもあってごはんもおいしい!帰国して数か月経った今でも「あー帰って来てよかったー」と声に出すこともしょっちゅう。もちろんいいことばかりではありませんが、海外での厳しいロックダウンを経験したので、不安定な状況の中、より自分の国にいられることの喜びを感じています。
2022年はもうすぐそこ。今年頑張ったぶん、来年に期待してもいいですよね。日本もフランスも、世界中が明るい方へ、ぐっと上向きになりますように。それではみなさま、良いお年を!