料理研究家・コウケンテツさんのバズレシピ。フライパンで美味しく作れる「ふわとろ親子丼」
これまでクウネル・サロンでご紹介した記事の中から、8月に読みたい記事をピックアップしました。
※記事の初出は2023年5月。
おなじみ定番料理の作り方を改めておさらいしませんか? 今回は人気料理研究家のコウケンテツさんに、「ふわとろ親子丼」の作り方を伺いました。ちょっとしたコツと工夫で、いつもの味が進化しますよ!
PROFILE
コウケンテツ/こうけんてつ
料理研究家。旬の素材をいかした家庭料理を提案。2020年3月に開設したYouTube公式チャンネル「Koh Kentetsu Kitchen」は、現在登録者数なんと174万人超え。『韓国風ラーメン鍋付きレシピBOOK』(扶桑社)など著書多数。
料理家人生の集大成と突き詰めた定番料理
「献立が全然決まらない」「料理するのが面倒」。そんなときに、コウケンテツさんのユーチューブ動画を見ると、「早く料理を作りたい」というヤル気スイッチが入るから不思議です。目からウロコのアイデアがちりばめられていて、力の入れどころと抜きどころが明快。「私でもできそう」と思えるのです。(ちょっとズッコケな、コウさんのチャーミングな一面が見られるのも人気の秘密?)
「取り上げている料理は定番・王道なメニューばかり。料理名を聞いただけで、味が思い浮かぶものですよね。そんな当たり前の料理を、最高においしく、できるだけ簡単に作るにはどうしたらいいか?とものすごく突き詰めました。料理家としての集大成といってもいいかもしれません」
テレビの仕事などで、世界のキッチンや店の厨房を取材した経験が生かされているのだといいます。そこで得た知識やテクニックを「家庭でどこまで簡単に、気軽に再現できるのか」が、コウレシピの要なのです。
そんなスタンスになったのは、ここ数年のこと。『本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ』というエッセイを出したほどで、そういう声を多く聞くようになり、自分自身も「料理がしんどい」と思うようになった経験からです。仕事と並行して、5人家族の料理を作り続ける日々の中で、「限界」を体感したのだそう。
「手間暇かけた手料理が最高」と、知らず知らずに誰かを追い詰めていたのではないだろうか?そうして、料理作りに対する考え方は変わりました。
「こだわりを詰め込むスタイルではなく、もっと作る人の気持ちが楽になる料理や、考え方を提案したいなと思い至ったのです」
そうして完成したコウさんの定番レシピ。「ここだけを押さえておけば、あとは気楽に」というスタンスで、家庭で最大限の感動が味わえるよう工夫をしています。パスタはフライパンで茹でてしまおう。親子丼の卵は白身と黄身で分けるとふんわり仕上がる。焼きそばの肉は薄いしゃぶしゃぶ用豚肉を使うと、麺との一体感アップ。など、「今日使える」アイデアが満載です。
こうして完成したコウさんの定番レシピから、今回は「ふわとろ親子丼」の作り方をご紹介しましょう。
「ふわとろ親子丼」は白身と黄身で分けるのが美味しさのポイント
土曜日の昼ごはんによく作るメニューです。専用の親子鍋がなくてもフライパンで美味しくできないかな?と考えました。鶏肉は包丁で叩くことで味のしみこみが良くなります。卵のプルンとした食感は白身由来なので、卵は溶きすぎず、白身の食感を残すようにしましょう。最初に白身だけ鍋に入れて、ある程度火を通してから、最後に軽く混ぜた卵を入れて好みのかたさに仕上げるとうまくいきますよ。
「ふわとろ親子丼」の作り方
◎材料(2人分)
鶏もも肉1/2枚、玉ねぎ1/4個、卵3個、だし汁100ml、三つ葉2-3本、温かいご飯2膳
A=しょうゆ・みりん・酒各大さじ2、砂糖小さじ1
◎作り方
1.鶏肉は2㎝角に切って包丁で軽く叩く。玉ねぎは縦に薄切りにする。三つ葉は2-3㎝に切る。
2.小さめのフライパン(直径20㎝)にAを入れて煮立て、1分ほど煮詰める。鶏肉を加えてしっかりと煮て、肉の色が変わったらだし汁を加える。再び煮立ったら玉ねぎを加えて混ぜ、2分ほど煮る。
3.ボウルに卵を割り入れる。2.のフライパンに卵白のみ、卵の半量くらいを入れて蓋をして1-2分弱火で煮る。白身が固まってきたら残りの卵を軽くほぐして回し入れて蓋をして30秒~1分ほど蒸す。
4.器に盛ったご飯にかけ、三つ葉をのせる。
『クウネル』2023年7月号掲載 写真 松村隆史 / 取材・文 鈴木麻子
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