旅先や初めて訪れる場所でのお楽しみの1つといえば、ご当地名物。地元ならではの一品、親しまれている味を知れば、その土地の文化もわかるというものです。近年は「ご当地パン」も注目株。今回は名古屋と北九州で、新旧のご当地パンをいただいて来ました。
新たな名古屋土産を目指して誕生した
コラボスイーツ
先日、電車移動中に名古屋での乗り継ぎがありました。せっかくの途中下車で、久しぶりの名古屋。「なにかご当地ものでも食べようかな」と思ったものの、ぶらぶらする時間はなかったので、事前に「名古屋駅の限定品」をリサーチ。すると、興味深いネーミングを発見、それは〈ういろうワッサン〉 と〈八丁味噌クロックムッシュ〉!
え?ういろうって、あのういろう?ワッサンっていうのはクロワッサン的なこと?八丁味噌の方は……まあなんとなくイメージできるけど、うーん。兎にも角にも気になったので、名古屋駅の改札を出て、向かった先は駅構内にある『マーメイドカフェ』です。
店内に入ると目の前にコロンとかわいい〈ういろうワッサン〉が並んでいました。事前の情報によれば 〈ういろうワッサン〉 は、創業140年を誇る地元の老舗菓子店『青柳総本家』と『マーメイドベーカリー』が、「新たな名古屋土産」を目指して作り上げたコラボスイーツなのだそう。そのお隣には〈八丁味噌クロックムッシュ〉が。
名古屋名物がクロワッサンとクロックムッシュにカットイン
かわいいビジュアルに心惹かれつつ、未知との遭遇にどきどきしつつ、〈さくら〉や〈抹茶〉など数種類の中から、黒砂糖を使った〈くろ〉をチョイス。パンではなくスイーツというだけあり、ぱくっといける手のひらサイズです。それとクロックムッシュを購入し、電車の中でいざ開封。
まずは〈八丁味噌クロックムッシュ〉から。トッピングのたっぷりのチーズに、「温めてもらえばよかったー」と後悔しながらぱくり。なるほど、ちょっと甘めの八丁味噌ソースとチーズ、それぞれの特徴的な風味が合っていて、これはなかなかおいしい!さすが発酵食品同士の相性は抜群でした。
そして注目の〈ういろうワッサン〉。見れば見るほど、かなり直球のスタイルです。このままただ見ていたい……いやいや、いただきましょう。
生地の外側はかなりパリパリで香ばしく、かじったその先には小倉餡クリームとういろうがスタンバイ。 食べてみると、デニッシュのふわっと感とういろうのもちっと感を、餡クリームがうまくつないでいて、意外にも(?)上品な甘さ控えめスイーツに仕上がっていました。これはネタ的にもお土産にありかも。
練乳とろける北九州のソウルフード〈サニーパン〉
さて、お次は北九州のご当地パン。先日仕事で小倉を訪れた際、地元の方におすすめしていただいた『シロヤベーカリー』の〈サニーパン〉です。
私が訪れた小倉駅前のお店には、パンを求めて長蛇の列が。見ていると、みなさんのお目当てはさまざまなお総菜パンと……やはり〈サニーパン〉の人気は絶大。まとめ買いしていく方がたくさんいらっしゃいました。
ホテルに戻って、早速いただいてみることに。大きさは、いわゆるテーブルロールのサイズで、少し固めなのはバゲット生地を使用しているからだそう。割ってみると、中にはたっぷりの練乳が!その練乳ゾーンをかじると、とろんとした甘さとしっかりした小麦の香りが一体となり、初めて食べるのにちょっと懐かしい感じ。幅広い世代に支持されるのも納得です。
長年地元で愛されている味も、これから新名物をめざす味も、「お!?」と心動かされるポイントが潜んでいるのが、ご当地名物のいいところ。各地にはまだまだ知らないおいしさがいっぱい。次の出会いにも、期待が高まります。