50代美容の壁を超えられる?肝斑が気になって美容医療を始めてみた【はじまりのメロウライフ】

エディターの山村光春さんと、エッセイストの広瀬裕子さんによる往復連載。
「60代以降に使われる『シニア』という呼び方がどうもしっくりこない」という2人が、「私たちらしい人生の後半戦」について模索します。シニアでもなく、シルバーでもなく……。だったら「メロウライフ」なんていかがでしょう?

今回は「スキンケア」がテーマ。前回記事、韓国コスメ伝道師に勧められて色々コツコツ使っていたら5年も衰えナシだったに続き、広瀬さんがこのごろ気になっているという「肝斑」について綴ります。

若見えは不要だけど、自分なりのきれいは大切にしたい

やはり、肝斑なのです。

「なかなか消えないです。肝斑は」。皮膚科でそう告げられたことは前回、書きました。いまは「消えなくても薄くなればいい」と、考えを改め皮膚科に通っています。

エステティックサロンにもほとんど行ったことがないわたしが、この年齢になり、肌のために病院へ通うというのは、自分のなかでは大きな変化です。朝の洗顔時、帰宅してからのクレンジング後。頬に広がる薄いシミを目にすると「これね」と毎回、思います。

日頃から「若く見られなくてもいい」と思っていますが、それはわたし的には「実年齢でいい」という意味であり「どうでもいい」とはちがうのです。若見えは不要ですが、自分なりのきれいは大切にしたい。日々、気になり、それがなくなる(気にならなく)方法があるのなら──。「1度、試してみよう」。そう思うようになりました。

普通のシミとちがう肝斑ケア

肝斑治療は、通常のレーザーは使用できません。色の薄いシミは、レーザーを使うとかえってシミが濃くなってしまう場合があるそうです。代わりに使用するのは、レーザートーニングという機械。「微力なレーザーのイメージです」とのことです。

トーニングを1ヶ月毎、何度がつづけると、肝斑は「薄くなる可能性」があるそうです。あくまでも「可能性」。治療は、保険適用外。プラス、サプリメントの服用が必要です。

通っている皮膚科は、自宅からそう遠くない場所にあります。

以前、皮膚の傷の治療をしてもらっていた病院の受付に、ある時、トーニングのパンフレットを目にしました。それがきっかけで、その病院で治療をすることにしたのです。下調べやその他の病院との比較はしておらず、まずは「通いやすい」「試したい気持ちが消えないうちに」を優先しました。

料金は、1回目はお試しで確か1万円ほどでした。その後は、1回ずつ受けるコース(お試しより高額)か、5回コース(少しリーズナブル)か選べるようになっています。

肝斑の原因は解明されていません。ホルモンやストレス、日焼け(思い当たります)など、複合的なものが重なり症状として現れるため、治療方法も絶対これというわけではないようです。また、結果も幅があり「少しよくなる」から「気にならないくらい薄くなる」人もいると説明されました。30~50代で発症する方が多いらしいのですが、ここ数年、わたしは思い当たるストレスがあり、それもあり、50代後半で症状が現れたのかもしれません。

肝斑をメイクで隠すという方法もあります。ただ、年齢が上がってくるとファンデーションで隠すと、不自然さが増しますし、しっかりメイクは崩れも気になります。いまは、コンシーラーは使わず、下地とファンデーションを少し、ルースパウダーにしています。

5年ぶりに下地とファンデーションを使いはじめました。優秀。

皮膚科で肝斑の治療をやってみて

はじめてトーニングを受けた感想は──と言うと、パチパチと皮膚に当たる感覚。例えて言うと「輪ゴムでぱちん」とされた感じです。思ったより痛くありません。大丈夫。それより「おお」となったのは、匂いです。皮膚が少し焼けるような匂いがするのです。これは、毎回、どきっとします。

レーザーも、トーニングも、言うなれば強めの療法です。スキンケアは、ていねいと継続が基本ですが、それを飛ばした先のことをしているのです。

皮膚科で処方されるトラネキサム酸とシナール配合。施術後の乾燥にはプロペトを勧められます。

60代目前で美容について考え直す

思えば、わたしはスキンケアをきちんとしてきませんでした。メイク落としは必ずしますが、あとはさっと終わらせることがよくあります。日焼け止めも適当。エステティクサロンも通っていません。トーニングが終わったタイミングで「本気でスキンケア、美容をしてみたらどうなるだろう?」と思いはじめています。「肌は3日で変わる」と人気の本にも書かれています。

ただ、すでに懸念しているのは「やりはじめたら他も気になる」となる点。「ここをこうしたら」と、数年前の自分を思い返してしまうのです。いまのところ、そう思う気持ちは受け止めながらも「年相応」「清潔感がある」くらいでよし、と考えています。足りないところは、姿勢や体型維持でカバーできないか模索中です。

病院での治療はスペシャルなものとして、日々のスキンケアをきちんとつづければ(山村さんも書かれていましたが)5年後も「変わらない」が、叶うかもしれません。うつくしさの基準とルールが猛スピードで変化していくなか、日々のケア・プラス・医療という扉をそっと開けたところです。

~アフターメロートーク~

山村さん

「若見えは不要ですが、自分なりのきれいは大切にしたい」これ、名言です。額に入れて飾っておきたい。

広瀬さん

「自分なりのきれい」も色々あり、また、価値観も変わるので、何がきれいか、立ち止まって考えることがあります。隠すことがいいとされていたことも、変わりそう。

山村さん

それですね!僕の場合の「きれい」のものさしは、一にも二にも清潔感。beautyではなくcleanのほうですね。

広瀬さん

年齢を重ねると大事です。気づける範囲が狭くなる。健康問題ともつながりますね。

山村さん

そうすると、「人からの目」よりも「自分なりの目」をもっと広く、細かくしていく必要がありますね。うん、心がけよう。

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この記事の
プレミアムメンバー

広瀬裕子

執筆のかたわら、50歳から空間設計の仕事をはじめ、現在は設計事務所の共同代表としてホテルや店舗、レストランなどのディレクション、フードアドバイス等にも携わる。著書に『55歳 おとなのまん中』(PHP研究所)など多数。
Instagram:@yukohirose19

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